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ドラマ『ひとり酒男女』ADの自殺…弟が不条理な労働構造をSNSに訴え

4/19(水) 6:29配信

ハンギョレ新聞

CJ E&MのADだったイ・ハンビッさんの弟がSNSに書き込み 放送終了翌日死亡したイさん、撮影の間中きつい労働に苦しみ 「兄が残した録音ファイルなどに 頻繁に浴びせられた侮辱・非難が残されていた」

 CJ E&Mでドラマ『ひとり酒男女』のアシスタント・ディレクター(AD)として働き、きつい労働環境と暴力的な社内の雰囲気によりとうとう自ら死を選んだ故イ・ハンビッさんの弟の投稿がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて広まり、ネットユーザーの注目を集めている。

 イ・ハンソル氏は17日、自分のフェイスブックに「楽しみの『終わり』がないドラマを作ると謳う大企業CJ、彼らの社員の『死』に対する方式に関して」というタイトルの投稿を上げた。イ氏はこの投稿で、兄が「(ドラマ制作の)現場において過度な侮辱と過度な労働に苦しめられ、人事で不利益を被った」とし、「最後まで熾烈に生きようとしたイ・ハンビッPDは、ドラマの現場が本来の目的どおり人にあたたかくあることを願い、自らこの世を去った」と明らかにした。

 昨年10月26日、『ひとり酒男女』の放送終了の翌日に死亡した状態で発見された故イ・ハンビッさんは、撮影の期間中きつい労働に苦しめられたという。『ひとり酒男女』製作チームは、作品の完成度が低いとの理由で初放送直前に契約職の多数を整理解雇し、これによって撮影期間が短くなり、70分間のドラマ2編を1週間で生放送するように撮ったということが、故人の弟イ・ハンソル氏の主張だ。

 イ氏は「兄の生死が確認される直前、会社の先任は両親を訪ねてきて、イ・ハンビッPDの勤務がどれほど不誠実だったかを1時間にもわたって主張した」と明らかにした。当時、故人の母はその場で会社職員に謝罪しており、数時間後に故人の死を確認したという。イ氏は「CJという企業の死に対する態度は、両親の胸に刃物を二度も突き刺すようなものだった」と語った。

 イ氏は「兄が残した録音ファイル、カカオトークの対話内容は、頻繁に浴びせられた侮辱と非難であふれていた」と明らかにした。イ氏は、故人の死から2カ月が過ぎて会社から書面調査結果を受けとったが、ここには「虐待や侮辱行為はなかったものと確認された」と書かれており、会社側は問題があったとすれば故人の「勤務態度不良」だと繰り返し主張したと明らかにした。会社との協力を通じた真相調査が不可能だと判断した後、直接歩き回って『ひとり酒男女』制作に参加した個々人を訪ねたというイ氏は「幸い何人かの人たちは死を慰労しようと証言に参加してくれた」とし、「特定の時点以降、イ・ハンビッPDはデリバリー撮影の準備、領収証の整理、現場の準備など、チームが無くなる場合、それらの業務をすべて一任される構造で働いた」と主張した。

 イ氏は投稿の末尾に「韓流ブームは世界を駆け巡り、輸出額でドラマは80%を超える割合を占めているという」としながら、「輝かしい栄光の中で、多くの非正社員そして正社員に対する搾取が容認され、収益構造を維持していた」と主張した。さらにイ氏は「最も弱く、下っ端の人たち(特に若者たち)の犠牲と傷を当然視する大韓民国の自画像を、兄の死が一つひとつ明らかにした」とし、「だからこそ今はもっと真実を探り、不条理な構造が良くなるよう、最後まで声を上げる」と強調した。

 イ・ハンソル氏の投稿は現在、フェイスブックで共感1500件以上、シェア数は550件を記録中だ。青年ユニオン、民主社会のための弁護士会など17の市民社会団体で構成された「『ひとり酒男女』新入ADの死亡事件対策委員会」は18日午前11時、記者会見を開き、CJ E&Mに「会社側の責任の認定および公開謝罪」、「公開的な真相究明および関係者の問責」、「再発防止対策づくり」などを要求する予定だ。

ファン・クムビ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:4/19(水) 6:29
ハンギョレ新聞