ここから本文です

[インタビュー]「日本の敵基地攻撃論、平和憲法改定の材料になりかねない」

ハンギョレ新聞 4/19(水) 6:29配信

軍事評論家・前田哲男氏

 「自民党は朝鮮半島の緊張を好機とするかのよう
敵基地攻撃能力の保有は昔からの論争点だが
最近は具体的な装備の保有まで議論」

 日本の安倍晋三首相は最近、根拠も提示せずに「北朝鮮がサリンガスをミサイル弾頭に装着して発射する能力を備えている可能性がある」というような発言で朝鮮半島の緊張を煽るような態度を見せている。与党自民党は、北朝鮮のミサイル基地攻撃を念頭に置いた「敵基地攻撃能力」の保有を政府に要請した。

 進歩的性向の軍事評論家・前田哲男氏(78)は17日、ハンギョレとのインタビューで、安倍首相と自民党が朝鮮半島の緊張局面を活用する印象を与えているとし、敵基地攻撃論は日本の平和憲法改定の材料に利用されかねないと話した。前田氏は進歩系の月刊誌『世界』などに安倍政権の安保政策を分析し批判する文章を書いてきた安保専門家だ。

 前田氏は「安倍首相と自民党は(朝鮮半島)危機をもて遊んでいるような感じがする」とし、「朝鮮半島事態という言葉から分かるように、朝鮮半島の緊張事態が日本とはかけ離れたことのように話す人もいるが、日本は地理的に韓国と近く在日米軍基地もあり、何か事が発生すれば日本も当事者になる」と話した。彼は「朝鮮戦争の時も横田の米軍基地から戦闘爆撃機が北朝鮮に向かって発進した」とし、「当時は、北朝鮮に日本を攻撃する能力がなく、日本は何の被害も受けず経済的効果だけを享受することができた。しかし今、北朝鮮は日本をミサイルなどで攻撃する能力を持っている」と話した。

 前田氏は、自民党が最近政府に提案した敵基地攻撃能力が、結局は平和憲法改定を念頭に置いた主張だと指摘した。「敵基地攻撃能力を備えるという話は(交戦権などを放棄した)日本の現行憲法と根本的に衝突する。今の憲法では敵基地攻撃能力の保有が無理だから、憲法を改定しようという話が出かねない」と話した。

 前田氏は、敵基地攻撃論は1950年代の鳩山一郎政権の時から時々顔を出した話だが、今は様相が変わったと指摘した。「以前まではあくまでも憲法論争であり実際にそのような能力を自衛隊に付与しようとはしなかった」とし、「しかし最近は、自衛隊が敵基地を攻撃するためにはどのような装備を備えることが適当かまで議論が進んでいる」と話した。「敵基地攻撃に必要な装備や訓練は、現在の日本の防衛計画には入っていないが、安倍政権が続けば2019年から始まる防衛計画に反映され得る」と見通した。

 前田氏は、「安倍首相は北朝鮮に対する抑止について述べているが、最小限の意思疎通を前提としない抑止には意味がない」と話した。「抑止も相手が合理的な判断をするという前提がなければならない。核を使ったら一緒に破滅する可能性があるという考えを、自分もして相手もするという認識で使う言葉が抑止だ。しかし安倍首相は、相手と意思疎通をする意志自体がない。最小限の意思疎通もなく、単なる軍事的圧迫があるだけだ」。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:4/19(水) 6:29

ハンギョレ新聞