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巨人菅野が熊本で自己最少3安打完封、地方9戦7勝

日刊スポーツ 4/19(水) 7:55配信

<巨人3-0ヤクルト>◇18日◇熊本

 原点回帰で1年ぶり5度目の完封勝利を決めた。巨人菅野智之投手(27)がヤクルト打線を3安打に封じ、今季2勝目を挙げた。開幕後は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて習得したチェンジアップを封印。見つめ直した直球とスライダーを軸に凡打の山を築いた。11日広島戦で6回途中で降板した悔しさも今季チーム初の完投勝利で一掃。リーグ一番乗りの初完封勝利で3連勝に導き、被災地・熊本のファンを喜ばせた。

【写真】お立ち台でファンの声援に応える菅野ら

 27個目のアウトも、淡々と奪ってみせた。9回2死一、三塁。菅野は雄平を中飛に打ち取り、頭上で手をたたいた。捕手小林と肩を抱き合い、ようやくほおが緩む。昨年4月13日ヤクルト戦以来の完封勝利を、自身最少の3安打で決めた。「ホッとしてます。素直にうれしいです」と喜んだ。

 シンプルかつ丁寧に攻めた。WBCの前後で自分を見つめ直した成果だった。世界との戦いを見据え投球の幅を広げようと、球速が遅い、落ちる球で緩急をつけるべくチェンジアップをオフに習得。WBC準決勝で敗退後、長いシーズンを戦い抜いて日本一になるには何が必要なのか熟考した。「チェンジアップは投げない。興味はないです。真っすぐとスライダーをきっちり投げられれば抑えられる。基本に返るって感じですね」。導き出した答えが新球を封印しての原点回帰だった。

 この日は両サイドに直球を投げ分け、コースギリギリにスライダーを曲げた。キーマン山田を4打数無安打に封じ、バレンティンも第1打席から2打席連続でスライダーで空振り三振に仕留め、勢いに乗せなかった。「やっぱり真っすぐが基本線」と答えが間違っていなかったと実感できた。

 自分へのリベンジも決めた。11日の広島戦では5回までは96球を要して無失点も6回途中5失点で降板。「悔しいというのを通り越して何とも言えない気持ちになった」。この試合は長くマウンドに君臨するのを命題にした。打たせて取って5回を68球で終え、リーグ一番乗りの完封ペースをつくり出した。「今日の試合に懸ける思いは持っていた。最後までマウンドを守れてうれしい。自分自身にケジメをつけられて良かった」とうなずいた。

 打っても2安打で「投手は投げるだけじゃない。今年は打撃にも注目してください」と笑った。次の登板は25日からの広島3連戦(マツダ)。「強敵だけど、しっかり準備して真っ向から立ち向かいたい」。確かな手応えを得たエースが、次は昨季王者に借りを返す。【浜本卓也】

 ▼菅野が3安打完封勝ち。菅野の完封は通算5度目だが、3安打は15年5月19日阪神戦、16年4月13日ヤクルト戦の4安打を抜いて自身最少被安打。熊本で完封勝ちした投手は96年9月7日横浜戦の吉井(ヤクルト)以来となり、巨人では78年4月13日大洋戦の堀内以来、39年ぶり2人目。これで地方球場の菅野は通算9試合で7勝1敗、防御率1・75と好投している。

 ◆藤崎台県営野球場 熊本市中央区にある野球場。収容人数2万4000人。1960年の熊本国体時に完成。スコアボード横の大きなクスノキが名物。昨年4月の熊本地震で外野席、照明の損壊やバックスクリーンに亀裂が入るなどの被害が出た。ソフトバンク松坂は1000万円の義援金を寄付した。

最終更新:4/19(水) 8:58

日刊スポーツ