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万作・草田男の精神 現代に 久万高原町など4者、同人誌「朱欒」翻刻へ

愛媛新聞ONLINE 4/19(水) 9:18配信

 昭和に活躍した愛媛出身の文化人が持っていた自由な創作精神を現代に再び―久万高原町、久万美術館、松山市、愛媛新聞社の4者は18日、松山市出身の映画監督伊丹万作や俳人中村草田男らが手がけた同人誌「朱欒(しゅらん)」を後世に継承する連携文化事業「座朱欒プロジェクト」に取り組むと発表した。
 久万美術館によると、朱欒は万作や草田男、画家重松鶴之助らが旧制松山中学時代に手掛けた「楽天」の後継誌。東京で1925~26年、卒業生ら8~9人が手作りして仲間内で回覧した。絵画、戯曲、俳句、詩などをそれぞれが持ち寄って載せ、巻末で作品を批評し合い切磋琢磨(せっさたくま)した。全9冊、計約120作品を掲載している。
 草田男の三女・中村弓子さんが2015年11月、朱欒を久万美術館に寄贈したことをきっかけに、企画が持ち上がった。コンセプトは「集団としての青春」「松山の知的土壌のさらなる醸成」。原稿用紙に手書きされた朱欒を、原文そのままに読みやすく製本して出版する翻刻事業を軸に展開する。
 松山市在住の俳人小西昭夫さんらが作業を進めており、B5判、全368ページで9月に発刊する予定。出版資金の約1割はインターネットによる「クラウドファンディング」で全国から募る。
 翻刻のほか、ネットの作品投稿サイトで広く若者の作品を集める「現代版朱欒」ともいえる試みや、久万美術館では9~11月に県内の若手アーティストにスポットを当て、実物の朱欒も並べる自主企画展を実施する。
 市役所での発表会見には4者の代表が出席。野志克仁市長は「プロジェクトが文化の輪を広げ、文学の町・松山をより発展させることを期待したい」とあいさつ。河野忠康町長は「久万美術館が長年取り組んできた万作、草田男らの研究調査の集大成となる」と述べた。

愛媛新聞社

最終更新:4/19(水) 9:18

愛媛新聞ONLINE