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<旅券返納訴訟>取り消し請求を棄却 東京地裁

毎日新聞 4/20(木) 0:04配信

 2015年にシリア渡航を計画し、外務省から旅券返納命令を受けるなどした新潟市のフリーカメラマン、杉本祐一さん(60)が国を相手に命令の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、請求を棄却した。古田孝夫裁判長は「(渡航により)生命、身体に危害が及ぶおそれが高いと判断したことは合理的」と述べた。

 判決は、15年当時、過激派組織「イスラム国」(IS)がシリアに入国したとみられる日本人2人を殺害したとする映像を公開したことなどを挙げ、「ISが邦人を狙って拉致などに及ぶことが懸念されていた」と指摘。訴訟で杉本さんは「返納命令は、憲法が保障する報道の自由を侵害した」と主張したが、「報道の自由よりも原告の生命、身体の安全を優先して保護しようとした判断が不当とは言えない」と退けた。

 旅券法は「旅券名義人の生命、身体や財産の保護のために必要と認められる場合」に外務省が旅券の返納命令を出せると定めており、杉本さんのケースが初適用だった。

 判決後、東京都内で記者会見した杉本さんは「報道の自由を制限する事例を作ることはあってはならず、今後も闘い続ける」と話し、控訴する方針を示した。【近松仁太郎】

最終更新:4/20(木) 0:04

毎日新聞