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50年後の生産年齢人口は全体の5割に、出生率を上げても解決程遠く

4/21(金) 8:00配信

THE PAGE

 50年後の人口が9000万人を割り込み8800万人になってしまうという最新の人口推計が発表されました。しかも出生率を上げても人口減少に歯止めをかけることができないという結果が示されており、厳しい現実が浮き彫りになっています。

【連載】人口減少社会

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、「将来推計人口」を公表しました。それによると今から約50年後の2065年における日本の総人口は8808万人に減少するそうです。2015年時点における日本の総人口は1億2709万人ですから、約30%の減少ということになります。

 日本は人口減少社会といわれていますが、過去10年の推移を見ると総人口は減っておらず、ほぼ横ばいで推移してきました。高齢者の割合は年々高まり、高齢化は進んでいましたが、人口減少というほどではなかったのです。しかし今後は高齢化に加えて、総人口の減少が本格的にスタートします。恐ろしいことに、経済活動の担い手である生産年齢人口の減少が著しく、今後50年間で何と4割も減ってしまいます。生産活動に従事できる人の割合は、現在は約60%ですが、50年後には50%近くまで下がってしまうのです。

 政府は順調な経済活動を維持するためには1億人の人口が必要であるとしています。しかし今回の推計では到底その水準に及びません。

 将来の人口を推計する上でもっとも重要なのは出生率をどの程度見込むのかというところですが、今回の推計では現時点での出生率に近い1.44が今後も継続するという前提に立っています。

 同推計では出生率を1.65まで上げたケースも提示していますが、それでも50年後の総人口は9490万人と約25%の減少となります。しかも生産年齢人口の割合は52.2%で1.44のケースとほとんど変わっていません。現実問題として、出生率を1.44から1.65まで上昇させることは至難の業といえますが、たとえそれを実現したとしても、経済活動の担い手となる生産年齢人口の割合を増やすことはできないのです。これは少々、ショッキングな結果といってよいでしょう。

 この推計を見る限り、人口減少への対策として出生率を向上させるというのは、あまり意味がないことが分かります。下がるよりは上がった方がよいでしょうが、出生率が上がれば問題は解決するという甘い希望は持たない方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/26(水) 5:53
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