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児童手当の特例を廃止提言 財政審、保育料応分負担も議論

SankeiBiz 4/21(金) 8:15配信

 財務省は20日、財政制度等審議会を開き、高所得の世帯にも月5000円を給付する児童手当の特例措置を廃止するよう提言した。保育費用の公費負担が増える中、利用者に応分の負担を求めることも示唆。浮いた財源は受け皿確保など保育の質向上に回し、少子化対策を充実させる狙いだ。

 児童手当は、中学生までの子供に1人月額1万~1万5000円が支給される。夫婦いずれかの年収が960万円以上の場合(夫婦と子供2人の世帯)は対象外だが、特例措置として月5000円が給付されている。

 財務省は廃止を含めて検討するよう提案。また夫婦で多い方の年収を基準に支給制限の対象とする仕組みも、共働き世帯が増えている現状を踏まえて、世帯で合算した年収を対象とするよう改める案を提示した。

 増加する児童1人当たりの保育コストの負担のあり方についても、財務省は見直したい意向を示した。

 0歳児の保育にかかるコストは2017年度で20万6000円に上る。このうち公費負担は17万円だが、利用者負担は3万6000円にとどまる。

 ここ数年、コストが上がる中でも利用者負担はあまり変わっていないという。財務省は「保育コストとサービスの対価としての保育料の関係をどう考えるべきか」と、受益に応じた負担のあり方を問題提起した。

 財務省がこうした見直しを急ぐのは、安倍晋三政権が少子化対策のために子育て支援の強化を掲げる一方で、医療や介護などを含めた社会保障費は膨張が止まらず、財政状況が逼迫(ひっぱく)しているためだ。

 女性の就業拡大で都市部を中心に待機児童が増える中、政府は保育の受け皿拡大や職員配置の拡充などを推進。保育費用総額は12年度に1兆2964億円だったが、17年度には2兆2006億円にまで拡大した。

 消費税率10%への引き上げ時に政府が子育て支援の充実として予定していた7000億円はすでに予算措置されたという。ただ、今後も関連費用は膨らむ見通しで、財務省は「消費税の増収分とは別に安定的な財源を確保する必要がある」と指摘する。

 17年度予算では児童手当の特例措置に490億円を計上しており、特例廃止などの見直しで浮く財源を保育の受け皿拡充などに充てたい考え。記者会見した財政審の土居丈朗委員は「税財源には限りがある。民間でできることは支えてもらい、官民の役割を明確にすべきだ」と利用者負担増の必要性をにじませた。

最終更新:4/21(金) 8:15

SankeiBiz