ここから本文です

【欧州CL】香川4強ならずも激闘体現 サッカーはテロに屈せず

東スポWeb 4/20(木) 12:07配信

【モナコ・モンテカルロ19日(日本時間20日)発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦が行われ、日本代表MF香川真司(28)が所属するドルトムント(ドイツ)は敵地でモナコ(フランス)に1―3で敗れ、2戦合計3―6で準決勝進出はならなかった。11日にチームバスが爆弾テロの標的となり、精神的ダメージが残る中での一戦となったが、香川はフル出場で好プレーを披露。勇敢に戦ったイレブンに両チームサポーターから惜しみない拍手が送られ、テロに屈しないサッカー界の強さを見せつけた。

 試合には負けた。だが勇者たちは最後まで戦い抜いた。試合終了後、ドルトムントだけでなく、モナコのサポーターからも自然と温かい声援と拍手が湧き起こった。テロには屈しない姿勢を見せ、全力を尽くしたイレブンの表情には敗退の悔しさとともに、どこか安堵の様子も見て取れた。

 悪夢の事件から8日。その間、CLと国内リーグの2試合を消化したが、チーム内の動揺は簡単に消えなかった。香川も「試合は続くが、それ以上に大事なものは存在する。それほどの恐ろしいことを僕らは経験してしまった」と恐怖を感じ、やり場のない怒りに震えていた。モナコまでの遠征でも気の休まる瞬間はなかった。

 2―3で敗れた第1戦からの逆転を狙ったドルトムントは3バックにシステムを変更し、攻撃に人数をかける戦術。だが開始3分で逆転へのプランは崩れた。

 攻め上がったDFバンジャマン・メンディ(22)のミドルシュートはGKロマン・ビュルキ(26)が止めたものの、こぼれ球をFWキリアン・エムバペ(18)に押し込まれて失点。逆にドルトムントは前半14分、MFヌリ・シャヒン(28)の直接FKが右ポストに嫌われた。同17分には右サイドを攻略され、最後はエースFWラダメル・ファルカオ(31)のヘディング弾で2点目を奪われた。

 これで開き直ったトーマス・トゥヘル監督(43)は第1戦で得点を決めたFWウスマヌ・デンベレ(19)を投入。これで香川ら中盤と前線の連係が良くなった。後半2分の香川のミドルシュートは惜しくもGKにセーブされたが、その1分後、右サイドを突破したデンベレが深い位置から折り返し。香川がニアサイドでおとりになって潰れ、中央でフリーになったマルコ・ロイス(27)が豪快にネットを揺らして1点差とした。

 だが、そこからモナコは「3失点しない」という堅実なサッカーに転換。反撃ムードを高めたドルトムントは香川、デンベレ、ロイスのトリオで崩しにかかり、支配率を63%にまで上げてゴールに迫ったが追加点を奪えなかった。逆に同36分にカウンターから痛恨の3失点目。驚異の運動量で攻撃の起点になった香川もさすがに最後は足が止まり、4強入りの夢は破れた。
 香川の今季のCLは幕を閉じた。なかなか出場機会に恵まれなかった1次リーグ。チームの攻撃の柱となった決勝トーナメント。爆弾テロという卑劣な事件も起こり、最後は不完全燃焼に終わったが、存在感は十分に示した。残すはリーグ戦と準決勝進出を決めているドイツカップ。“悲劇のチーム”ということだけで終わらせないためにも、残りの試合に全力を尽くす。

【宿舎は最大級の警備態勢】

 モナコの地元警察は、11日の事件が宿舎出発直後に爆破が起こったこともあり、ドルトムントの宿泊ホテル周辺に警備員を配置。チームバスの出発も予定より20分遅らせる念の入れようで、最大級の警備態勢を敷いた。このため、モナコ特有の交通渋滞にも巻き込まれ、試合開始は定刻より5分遅れ。それでも大きな混乱や騒乱は起こらなかった。

 試合開始前、ドルトムントサポーターが愛唱歌「You’ll Never Walk Alone」を歌い始めると、モナコサポーターも一緒に大合唱。「君たちは一人じゃない」の横断幕も掲げられ、スタジアムはテロに屈しないという思いで団結した。爆破で右手首を骨折したDFマルク・バルトラ(26)も今回の遠征に同行。スタンドでチームメートの戦いを見守った。

最終更新:4/20(木) 12:07

東スポWeb