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弱者支える「草の根相談会」 医師や弁護士らスクラム 静岡

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/20(木) 8:26配信

 医師や歯科医、社会福祉士など普段別々の職場で働く専門職が自主的に集まり、高齢者や障害者を抱える住民の相談に応じる「なんでも相談会」を静岡市清水区で開いている。手弁当の取り組みは全国的にも注目を集めている。「司法ソーシャルワーク(SW)」の実現を目指す弁護士も加わり、草の根的実践を積み重ねる。

 「医療ミスで被害を受けたがどうすればいいか」「薬を飲んでいるが良くならない。老い先短いので、死後が心配」―。こんな悩みに弁護士や医師、福祉関係者らがワンストップで応じている。会場の清水保健福祉センターには毎回10人ほどが訪れる。住民の声に耳を傾けているのは、2011年から月に1度程度開いている「銀さら勉強会」のメンバー。顔の見える関係を作り、普段の仕事に生かすのが目的だった。しかし、市民が抱える問題に積極的に関わろうと昨年9月から相談会を開始。これまで4回開き、18日夜に同区内で開いた勉強会では本年度も4回の相談会実施を決めた。

 勉強会には15人ほどが集まり、発達障害に関する漫画を題材に意見交換するなど、肩肘張らない雰囲気の中で、一つのテーマについての発表を受け討論するのがスタイル。東京都府中市から参加した歯科医師の男性は「専門職の場合、専門性が高くなるほど他の職域の人と交わる頻度は減る。取り組みは画期的」と話す。社会福祉協議会の女性職員は「港町特有の『お節介気質』が良い方向に作用したのでは」と分析する。昨秋からのメンバーで、3月まで法テラス静岡法律事務所に勤務し4月に地元清水で事務所を開業した浅井裕貴弁護士(37)は「外に出て行く姿勢を自らの強みにしたい」と意欲を見せる。

 司法SWは、法的問題を抱えていることに気付かない人や意思疎通困難な人たちの「司法アクセス障害」を取り除くのが目的。勉強会には、浅井弁護士以外に2人の法テラス静岡法律事務所所属の女性弁護士も参加。主宰する望月歯科の望月亮院長(55)は「『地域を自分たちの力で良くしたい』という思いから始まった。地元で輪が広がっていくのはうれしい」と話した。



 <メモ>司法ソーシャルワーク 2009年ごろに新潟県や岐阜県の法テラス法律事務所にいた弁護士が始め、徐々に他地域にも拡大していったとされる活動。一般には「敷居が高い」と思われがちな弁護士が積極的に福祉関係者と連携、身寄りがない上に認知症の高齢者の成年後見制度利用促進など社会的弱者の権利擁護を後押ししていく取り組み。

静岡新聞社

最終更新:4/20(木) 10:37

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS