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大規模分割、応急措置のひずみ=衆院区割り

時事通信 4/20(木) 7:03配信

 衆院議員選挙区画定審議会(区割り審)の新たな区割り案は、分割される自治体の数が過去最多に上る大規模な見直しとなった。

 当面の「1票の格差」是正を優先し、抜本改革を先延ばしした応急措置のひずみが色濃く表れた形だ。

 区割り見直しは、全小選挙区の約3分の1に当たる97選挙区となった。実際に分割される市区町も88(19日現在)から過去最多の105に増加。区割り審は、自治体を分割しないことを原則に見直し作業を進めたが、結果的に都市部を中心に複雑な「切り貼り」が目立った。

 例えば、東京7区(渋谷、中野両区)。従来は二つの特別区で構成されていたが、新たな線引きの結果、隣接する品川、目黒、杉並3区の一部が編入され、計五つに拡大した。法律の公布から施行までの周知期間はわずか1カ月程度とされ、有権者の混乱は避けられそうもない。

 地方での影響も少なくない。定数が5から4に1減する熊本については、小選挙区の大幅な分割・統合が行われた。地域の一体性が損なわれるとの懸念が強まることも予想される。

 区割りが複雑化した背景には、昨年5月に成立した衆院選挙制度改革関連法が、格差是正の抜本策となる「アダムズ方式」導入を先送りし、小選挙区の「0増6減」などにとどまったことがある。

 総務省は、今回の見直しにより、最大格差は1.999倍と、司法が求める「2倍未満」に抑えられたとしているが、都市部への人口流入に歯止めがかからない現状で、これを維持するのは困難な情勢だ。

 2020年の国勢調査を踏まえて行われる選挙では、人口比をより反映しやすいとされるアダムズ方式導入により、東京で3議席程度増えるなど再び境界の見直しが迫られると予想される。抜本改革を先送りした代償は大きい。 

最終更新:4/20(木) 11:29

時事通信