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iDeCoの「投資信託選び」 これであなたも迷わない?

4/20(木) 18:07配信

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個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)元年とも言える2017年は、厚生労働省に加えて金融庁が確定拠出年金を積極的に後押ししている点がこれまでと大きく異なる。金融庁もiDeCoを長期的な資産形成手段として期待しているのだ。

リスクといかに上手に付き合うか、iDeCoでの資産形成において重要な投資信託の選び方について解説しよう。

■運営管理機関によって差がある運用商品の数

iDeCoは運営管理機関によって運用商品の設定数に違いがある。最も運用商品が多い運営管理機関はSBI証券でその商品数は65本だ(2017年4月20日現在)。

平均的な運営管理機関が設定する運用商品数は20~30本のため、2倍違うことになる。その内訳はいわゆる定期預金などの元本確保型が4本、元本変動型の投資信託が61本ある。

運用商品の選択肢があまりにも多くなると、かえって人は「選択しなくなる」といった声もあるため、65本を適切な運用商品数と考えるかどうかは判断が分かれそうだ。

最も現在証券会社などを通じて販売されている投資信託は約6000本と言われている中、iDeCoで選べる投資信託は通常30本程度という設定ではあまりにも少なく、満足できないという人もいるだろう。

しかし、投資信託での運用にこれまで縁がなかったという方にとってはこの本数でもハードルが高いと感じるだろう。最も運用商品が少ない運営管理機関がさわかみ投信の3本だ。内訳は元本確保型が1本で投資信託が2本。さわかみ投信のWEBサイトによると、加入者の方針により運用商品を3タイプ選べるようにしているそうだ。

まず、「元本割れが絶対イヤ」という方には定期預金。「お金を増やすというより物価上昇に負けたくない」という方には物価連動国債ファンド、こちらは物価に連動し資産価値も増減する運用商品だ。そして最後が「ある程度リスクをとってお金を増やしたい」という方は投信会社の冠であるさわかみファンドが設定されている。「さわかみ投信」という会社を信頼し、お金のことをお任せしたいというような方にとっては、このくらいすっきりした商品構成も受けるのだろう。間違いなく今までにない新しいタイプの運営管理機関だ。

さわかみファンドは、運用会社が直接投資家に自らが運用する商品を販売する「直販投信」の草分けである。その哲学に共感するファンも多いので、毎月の積立額の増額のためにiDeCoを活用したいという方には格好のプランだ。ただし現在さわかみファンドは100%日本株、日本円での運用なので、海外の経済成長も取り入れたいという場合は、別にNISAなどで海外に投資をする投資信託なども考える必要がある。

MYDCもさわかみ投信同様に4本と少ない商品数となっている。同社WEBサイトによると、定期預金1本、投資信託3本のラインナップとなっており、THEOと呼ばれるロボアドバイザーが運用する。

投資信託はコンセプトにより3種類から選ぶことができる。まず世界の株式に投資をする「THEOグロース・ファンド」、世界の債券に投資をする「THEOインカム・ファンド」、そして貴金属やエネルギー、農産物や不動産などに投資をする「THEOリアルアセット・ファンド」だ。

それぞれのファンドは2017年3月に設定されたため、過去の実績を見る事ができないのが残念だが、ロボアドバイザーという新しいスタイルに魅力を感じる人はいるはずだ。質問に答えることで、最適な組み合わせを提示してくれるため、自分で選べない人にとっては価値を感じるだろう。

■投資の王道「長期・積立・分散」を実行する

資産形成を成功させる秘訣は「長期・積立・分散」だ。たとえ株の暴落があったとしても、ある程度の期間を置くことで市場は回復するし、積立で投資をすることで株価の高値掴みを防ぎより投資効果は高まる。iDeCoはそもそも「長期で積立てる」仕組みなので、あとは「分散」を意識すれば良いわけだ。

分散とは、投資資産の価値の変動がシーソーのような関係にあるものに「分けて」投資をすることだ。例えば株と債券はシーソーの関係にあり、円とドルもシーソーの関係にある。

株式への投資は、投資先の株価が上がればそれを共に喜び、倒産すれば投資した全てを失う。一方、元本返済の期限があり定期的な利払いがあるのが債券だ。

投資の「市場(イチバ)」で株と債券が売られているとしよう。株は現在好況でどんどん値が上がっているとしよう。そんな時固定金利の債券は地味で人気が上がらず値段が下がる。

一方不況で株の値がどんどん下がっている時は、固定金利で安定している債券は人気が上がり値段が上がる。これがシーソーである株と債券の関係だ。

円とドルも同様、円の価値が高い時すなわち円高の時はドル安だし、円の価値が低い時、すなわち円安の時はドル高だ。シーソーの関係にあるので、分散投資に最適な組み合わせとなる。

つまり分散投資をするためには「日本国内の株式」「海外の株式」「日本国内の債券」「海外の債券」の4つのカテゴリーの投資信託を選んで投資をすれば良いのだ。この4つの投資先に加え、投資家みんなで大家になって賃料を分配しようというコンセプトの「REIT(リート)」を日本と海外両方をいれて6つのカテゴリーに分散投資をしようという考え方もある。

■iDeCoの運用商品を「カテゴリーごとに分けて比べる」

分散投資の投資先が分かったところで、実際に運営管理機関に設定されている商品を6つの投資先に「分けて」、「比べて」、カテゴリーごとに投資信託を1種類選んでいこう。

運用商品を比べるという作業においては、ネット証券が使いやすい。ここでは楽天証券を例に説明しよう。

まず、投資先である4つないし6つのカテゴリーごとに投資信託があるのかどうか見てみよう。楽天証券のiDeCoのWEBページで運用商品の一覧を見ると、「分類」という名称がカテゴリーを表している。

「国内株式」「国内債券」「海外株式」「海外債券」「国内REIT」「海外REIT」の6つのカテゴリーの他、楽天証券の場合には「コモディティ」がある。

同社のコモディティは、金に投資をする投資信託だが、他の運営管理機関が設定するコモディティ投信は、原油、とうもろこしなどに投資をする投資信託もある。コモディティは、株や債券といった基本的な投資をしている人が、さらに異なる投資先に資産を分散させたいという人向きなので、投資が初めてという場合は、6つのカテゴリーへの投資で十分だろう。

楽天証券では、国内株式に投資をする投資信託は全部で5本ある。商品概要を一覧できるページでそれぞれの運用商品名をクリックすると、その投資信託の過去の運用状況などが分かる。そこで基準価格の推移や目論見書も見ることができる。

同じカテゴリーの投資信託を比べる際に覚えておきたい指標をひとつご紹介しよう。シャープレシオだ。これは投資の効率性を示す指標で数字が大きい方が投資効率が高い、すなわち過去において運用がうまくいった投資信託だと判断することができる。

実際に楽天証券の国内株式に投資をする投資信託のシャープレシオを比較すると、0.7程度から1以上とバラツキがある。(シャープレシオを比較するときは計測する期間を同じにして比較しよう。またできるだけ計測期間が長い方が実績がある投資信託ということになるので長めの指標の方が参考になる)。同じカテゴリーの投資信託のシャープレシオを「比べて」まずは1本投資信託を選んでみよう。

シャープレシオの掲載がない運営管理機関の場合は、同じカテゴリーの投資信託の過去の運用実績を比較してみよう。同じ投資期間を比較しても運用実績に差があることがある。投資信託のこれからのパフォーマンスを予測することはできないので、まずは過去の実績で判断する。

それぞれのカテゴリーからまずは1本投資信託を選ぼう。次回の連載では選択した投資信託をどう組み合わせていくのかについてお伝えする。

ちなみに投資信託のうち、バランス型、ターゲットイヤー型の記載がある商品は、あらかじめ投資先の「分散」がされているセット商品だ。株式や債券に運用のプロが投資資産を「分散」して運用してくれる。バランス型は商品によって、株式に多めに投資をしていたり、債券への投資が多かったりする。市場の変化によって、投資の配分が変わるとリバランスといって価値が高騰したものを売却し割安になったものを買付し最初に「分散」した配分に戻す。

ターゲットイヤー型というのは、ある年を目標に投資先の「分散」比率を変更していくバランス型のバリエーションだ。例えばターゲットイヤー2050というのは、2050年に60歳を迎える人に向けて設定されていると思えば分かりやすいだろう。

2050年の60歳は現在27歳、投資期間も長期なのでリスクを積極的にとって株式に多めに投資先が割り振られている。そして2050年までにその投資配分を徐々に債券へと移していく仕組みだ。

山中伸枝(やまなかのぶえ)
確定拠出年金相談ねっと代表(https://wiselife.biz/) ファイナンシャルプランナー(CFP®)
1993年、米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後メーカーに勤務。これからは自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、FPを目指す。著書:「なんとかなる」ではどうにもならない 定年後のお金の教科書(インプレス)ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本(翔泳社)他

最終更新:4/20(木) 18:07
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