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佐渡の「ブリカツくん」生活苦境 「中の人」が語る本音

朝日新聞デジタル 4/20(木) 7:10配信

 新潟県佐渡市のご当地キャラクター「ブリカツくん」が、もがいている――。佐渡観光協会の臨時職員から独立してから1年。佐渡を拠点に県内外のイベントに参加してきたが、契約してくれるイベント数が思った以上に伸びず、生活は苦しい。「ブリカツくん」を演じている男性が、匿名を条件に朝日新聞の取材に応じた。

【写真】佐渡の食材を使ったブリカツ丼=新潟県佐渡市提供

 佐渡の魚、寒ブリを食材にしたブリカツ丼を宣伝しようと、2010年に誕生したマスコットキャラクターが「ブリカツくん」だ。当初は2Dだったキャラクターは11年、着ぐるみが完成。知人に誘われた男性がこの着ぐるみを着て、各種イベントに参加し始めた。与えられた任務は、ブリカツ丼を軸とした佐渡の食文化の宣伝だ。

 15年は忙しかった。北陸新幹線の延伸開業と佐渡汽船の高速カーフェリーあかねの就航で、観光キャラバンの一員として金沢や東京など各地に随行。佐渡の宣伝に一役買ってきた。

 単に場を和ませるだけではない。イベント会場ではよくしゃべる。おしゃべりが達者なキャラクターとして知られるようになった。

 元々は市内の会社員。イベントでブリカツくんが呼ばれると、休みを取って駆けつけてきた。だが両立が難しくなり、14年7月から佐渡観光協会に臨時職員として雇用された。

 脚光を浴びた15年以降、臨時職員の契約は一度延長されたものの、16年3月に雇用期限が切れてしまった。男性は「ブリカツくん」一本で生活していくことを決め、インターネット上で独立宣言を行った。

 同年4月に独立採算で個人営業を開始。あらかじめギャラを提示してイベントに参加する形にしたが、契約数が伸びず、活動の場は減った。佐渡ではこの1年間に参加したイベントは10回にも満たなかった。

 男性は「佐渡では1回のギャラを半額にしているが、あまり呼んでくれない。佐渡の民間イベントにマスコットキャラクターは似合わないかもしれない。だから僕は県外のイベントにも積極的に参加していくつもりです」と話す。

 関係者は「ブリカツくん、ピンチ」と心配しているものの、手をこまねいている状況だ。市観光振興課は「独立前は気軽に呼ぶことができたが、独立してギャラを支払うとなると、予算が限られたイベントでは呼びにくくなる」と説明する。

朝日新聞社

最終更新:4/20(木) 10:36

朝日新聞デジタル