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トランス脂肪酸禁止のニューヨークで心臓発作が減少

日刊ゲンダイDIGITAL 4/20(木) 9:26配信

コラム【ニューヨークからお届けします】

「トランス脂肪酸」を多く含む油脂は、クッキーやクラッカーなどの加工食品、ファストフードの揚げ物などに使われています。アメリカでは、その量はかつての5分の1程度まで減っていると考えられていますが、さらに2018年までに加工食品への使用が全面禁止される予定です。

 一足早く、07年にレストランやファストフード店での全面禁止に踏み切ったニューヨーク市では、他の地域と比べ心臓発作と脳卒中が低いことが分かりました。

 調査を行ったのはイエール大学の医学部で、その結果が「JAMA」(米国医師会雑誌)に発表されました。ニューヨーク市と、トランス脂肪酸の使用を禁止していない近隣地区を比べたところ、ニューヨーク市の方が心臓発作が7.8%少なく、脳卒中が3.6%少なかったのです。

 ところが、ここで少々混乱が生じています。かつてトランス脂肪酸が多く含まれていたマーガリンは、動物性油脂のバターより健康にいいと考えられていました。しかし、80年代以降健康リスクが発見され、逆に「マーガリンは体に悪い、バターの方がいい」というコンセプトが定着。今もそう思い込んでいる人が多いのです。

 それが、マーガリンの進化によって、今はほとんどの市販のマーガリンにはトランス脂肪酸は含まれず、悪玉コレステロールを増やすバターよりむしろヘルシーだといわれています。

 いずれにせよ脂っこい食品が好きなアメリカ人にとって、トランス脂肪酸を減らすことはダイレクトに健康につながることが今回の実験で証明されたわけです。全米での実施の効果が期待されています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)

最終更新:4/20(木) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL