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<特殊詐欺>「街の電気店」が未然に防ぐ 石川県警が感謝状

毎日新聞 4/20(木) 9:56配信

 石川県かほく市で今月、高齢女性が警察官をかたる電話で多額の現金をだまし取られそうになったところを未然に防いだとして、県警津幡署は19日、市内で電器店「今村デンキ」を営む今村佐佳江(さかえ)さん(64)と息子の強(つよし)さん(40)に感謝状を贈った。強さんは女性から相談を受ける直前、不審電話への注意を呼びかける市の防犯メールを読んでいたため、詐欺を見破ることができた。高齢者を見守る地域と行政、警察の「連係プレー」が実った形だ。【日向梓】

 同署によると今月7日、かほく市の80代の女性の家の固定電話に、警察官を名乗る男から「あなたの口座から預金が不正に引き出されるのを防ぐため現金化してほしい。偽札かどうか確認するため、警察官に提出する必要がある」と電話があった。「後で警察官が自宅に行く」と説明された女性は、指示通り最寄りの金融機関で現金500万円を下ろしたものの、不安に思い、普段から交流のある今村デンキに電話した。

 その直前、強さんは、かほく市が防災・防犯情報を配信する「いいメールかほく」を受け取っていた。津幡署管内で、警察官を名乗る不審電話が多発しているという内容。佐佳江さんと女性の電話をそばで聞いていた強さんは「詐欺だ」と気づき、女性の家に急行した。女性からの通報で駆けつけた津幡署員と鉢合わせ、お互いを「金を受け取りに来た『受け子』ではないか」と疑う一幕もあったが、県警捜査2課の捜査員がJR宇野気駅で不審な行動をしていた受け子役の無職の少年(16)=愛知県愛西市=を発見、詐欺未遂容疑で逮捕した。

 佐佳江さんは「新聞に特殊詐欺や不審電話の記事がよく載っているけれど、(現実には)犯人のやり方がうまくて気づけないのかも」。強さんは「うちに連絡をくれてよかった。私たちみたいな身近な業者でもいいので、不安な時は誰かに相談してほしい」と話した。

 県内では17日に金沢、白山市の高齢者3人が警察官を名乗る男に計約1280万円をだまし取られるなど、特殊詐欺の被害や不審電話が相次ぐ。同署の荻田直樹副署長は「地域のお年寄りを見守る今村さんたちの取り組みが、今後のモデルケースになってほしい」と話した。

最終更新:4/20(木) 9:56

毎日新聞