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衆院「0増6減」 区割り案を勧告 自民に不利? 遠のく解散

産経新聞 4/20(木) 7:55配信

 衆院選挙区の新たな区割り案の勧告は、衆院解散の時期を探る安倍晋三首相の判断にも大きな影響を与える。首相は新制度が運用されるタイミングや選挙区「0増6減」に伴う現有議席の減少を考慮し、年内の解散には消極的な立場に傾く可能性がある。

 「首相がいつでも解散に踏み切れるようにするのが大事だ」。自民党の二階俊博幹事長は19日の講演でこう強調。ただ、17日の記者会見では「今のところ解散は念頭にない」とも述べ、早期解散を否定している。

 解散権は憲法で保障された首相の専権事項だ。とはいえ、今回の勧告が、衆院「一票の格差」の違憲状態を指摘した最高裁判決を受けたものなだけに、「新制度の施行前の解散は強い批判を浴びかねない」(自民党幹部)との声は強い。

 また、今回の勧告による選挙区見直しが自民党に不利に働くとみられることも首相の解散戦略に影を落とす。選挙区「0増6減」の該当県は自民党の議席占有率が高く、新選挙区での衆院選は現有議席の減少に直結するからだ。候補者調整も難航しており、首相にとって新制度の運用直後の衆院選は多くの危険を伴う。さらに7月2日には自民党の苦戦が予想される東京都議選の投開票が控える。

 安倍首相は勧告前の3月の解散を見送った段階で、年内は解散しない意向を周囲に漏らしたという。

 今の衆院議員の任期は平成30年12月まで。同年9月には安倍首相の任期満了に伴う自民党総裁選も行われる。30年度予算案の審議時期も考えると、解散は次の総裁選前後など限られたタイミングに絞られそうだ。

 来年後半の衆院解散は、安倍首相の在任中に憲法改正発議ができるかどうかにもかかわる。仮に安倍首相が来年9月の自民党総裁選で3選しても、最大任期は33年9月までだ。改憲案の発議には長期間の国会審議が必要とされるが、31年には参院選があり通常国会の大幅延長は困難だ。さらに32年夏には東京五輪・パラリンピックが待っている。

 区割り審の勧告前に解散していれば選択肢は広がったのは確かだが、野党共闘により衆院で3分の2超を失う公算が大きかった。憲法改正を視野に、首相はいかなる解散戦略を描いているのか。(水内茂幸)

最終更新:4/20(木) 7:55

産経新聞