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<千葉・遺棄逮捕1週間>女児不明当日、深夜帰宅の映像も

毎日新聞 4/20(木) 21:43配信

 千葉県松戸市立六実(むつみ)第二小3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)=ベトナム国籍=が遺体で発見された殺人・死体遺棄事件は、同小の保護者会会長、渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)が死体遺棄容疑で逮捕されて21日で1週間となる。渋谷容疑者は黙秘を続けているが、県警捜査本部は女児が行方不明になった当日の渋谷容疑者の軽乗用車の動きをもとに詳しい足取りを調べると共に、車内の遺留物などの鑑定を進めている。

 軽乗用車は渋谷容疑者が日ごろから使用。女児が行方不明になった3月24日朝、女児宅近くの防犯カメラに映っていた。同日昼ごろには女児のランドセルや衣服が見つかった茨城県坂東市の利根川河川敷周辺、夜には遺体発見現場の千葉県我孫子市の排水路周辺を走っていたことが防犯カメラなどで確認されている。

 捜査本部は軽乗用車は渋谷容疑者が運転していたとみているが、渋谷容疑者は24日の行動について逮捕前の事情聴取に「子供を(小学校に)送った後、家にいた」などと説明。一方、捜査関係者によると、自宅マンションの防犯カメラに深夜に帰宅する渋谷容疑者が映っているという。

 軽乗用車とは別に渋谷容疑者はキャンピングカーも所有。自宅近くの駐車場に止めていたが自走できる状態ではなく、渋谷容疑者が時折1人でこもる様子を付近住民が目撃している。車内から複数の毛髪や指紋が見つかっているという。軽乗用車と同様に捜査本部は鑑定を進めている。

 渋谷容疑者は地元の小中学校を卒業。知人らによると、飲食店勤務などを経て相続したマンションの賃貸収入で生計を立てていた。保護者会会長には昨年度に自ら立候補して就任した。捜査関係者によると、通学路の見守り活動などを通じて女児と面識があり、女児の通学ルートを把握していた可能性がある。

 ただ、坂東市の利根川河川敷周辺の防犯カメラに映っていた軽乗用車は同じ場所を何度も行き来していたという。何かを探すような動きだったことから、捜査関係者は「綿密に計画が立てられていた可能性は低い」と話す。

 最近の渋谷容疑者は雑談には応じるが事件に関しては黙秘を続けているという。渋谷容疑者は今月20日に開かれた同小の保護者会総会で、任期満了により会長退任となった。

 一方、女児の遺体発見前、インターネットの掲示板に事件発生を知っているかのような書き込みがあったが、捜査本部は渋谷容疑者との関連は薄いとみている。【斎藤文太郎、信田真由美、円谷美晶】

 ◇朝の登校時間帯パトロールも検討

 千葉県松戸市は、夕方と夜に実施している防犯パトロールを、朝の登校時間帯にも行う検討を始める。

 13歳未満の子供が連れ去られる事件は夕方に発生するケースが多い。警察庁が2016年にあった106件を調べたところ、発生時間が判明した79件のうち最多だったのは午後2~4時の21件で、次いで午後4~6時の20件だった。今回、女児が行方不明になった午前8~10時は4件のみだった。また発生場所をみると、106件のうち44件が「道路上」で起きていた。

 松戸市は02年に防犯パトロール車「青パト」を導入。現在は4台が平日の下校時間(午後2時半~5時半)と夜間(午後7~11時)に巡回している。市の担当者は「夕方の被害が多いと想定していた。盲点を突かれた」と話し、青パトの巡回を朝の登校時間帯に行うことを検討する。

 埼玉県蓮田市で下校時に自転車によるパトロールをしている有江博文さん(73)も、一緒に活動するメンバーに登校時のパトロールを相談する意向だ。

 一方、05年12月に下校途中の小1女児(当時7歳)が殺害された栃木県日光市(旧今市市)の大沢小では、保護者や住民ら約300人で「大沢ひまわり隊」を結成。朝と夕方のパトロールや付き添いを続けている。活動方針は「子供を一人にさせない」で、隊長の福田唯起子さん(44)は「新入学の保護者に積極的に声をかけ、地域の一体感づくりに努めている」と話す。

 立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「連れ去りをしようとする人物は子供がいる時間帯に現れる。明るい時間帯だからといって安心すべきでない」と話している。【奥山はるな、川上晃弘、花野井誠】

最終更新:4/20(木) 23:00

毎日新聞