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あの山梨県庁のネコは今、どうなっているのか あれがネックで…他の県敷地内でも問題に

産経新聞 4/21(金) 10:30配信

 山梨県庁(甲府市丸の内)の敷地内に住みつく野良猫に対し、同県が動物愛護団体の協力で去勢(不妊)手術を施してから3カ月が経過した。県は飼い主の募集を続けてきたが、去勢した25匹のうち、譲渡が決まったのはわずか4匹。飼い主が見つからない最大の要因は、野良猫のためトイレなどのしつけができていないためだ。去勢による猫の自然減と譲渡の「二正面作戦」で猫を減らしたい県の思惑は空回りしている。

 ■問い合わせ30件

 県HPで飼い主募集が行われている猫に関する問い合わせは、3カ月で約30件。県財産管理課は「飼い主希望者の多くは、一般の譲渡会の猫のように人に慣れ、トイレやご飯も粗相のないようにしつけられている姿を想像している」と打ち明ける。このため、「『しつけが全くできていない野良猫だ』と希望者に伝えると、受け取りを拒否されてしまう」と嘆いている。

 県はこうした状況を打開しようと、3月末から野良猫のしつけに着手。県庁内に猫用の簡易トイレを設置し、決まった場所で用を足す習慣を身につけさせようと躍起になっている。人の手から直接エサを与えることで人に慣れさせることも目指している。

 しつけを担当する動物愛護団体「ノーモアアーリーキャッツ」のスタッフは「成果が見え始めた猫が3匹いる。飼ってくれる人が見つかることを期待している」と目を輝かせる。

 ただ、県ホームページ上の野良猫の飼い主募集欄には猫の写真と雄雌の区別以外に何の情報もない。素性が分からない野良猫なのだから仕方のない部分もあるが、飼いたい気持ちを抱きづらいのも事実だ。

 ■ほかの場所でも…

 実はノーモアアーリーキャッツは3月、県曽根丘陵公園(甲府市下向山町)に集まる多くの野良猫の去勢活動にも着手している。公園は民間に管理を委託している県の所有地だ。

 関係者によると、野良猫は10年以上前から住みつき、一時は30匹を超えた。同団体の塩島亜貴さんは「伝染病に感染している猫が多く、放置できない」と訴え、公園で去勢活動を推進する構えだ。

 問題はこれだけではない。関係者によると、ほかにも、県立美術館(甲府市貢川)の敷地で野良猫が繁殖して問題化。個人のボランティアが、猫が増えないように去勢処置を行っているという。いずれの場所でも県は何も対応してこなかった。

 この関係者は「県が敷地内の野良猫の問題の沈静化を図るのは、県のほかの施設でも同じ問題を抱えていることがクローズアップされ、管理責任を県民に追及されるのを恐れているからだ」と指摘している。(甲府支局 外崎晃彦)

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 ■山梨県庁の野良猫問題 県庁内を整備し、「オープンガーデンやまなし」として一般開放した昨年4月ごろから、野良猫が芝生を荒らしたり、フンが植木を枯らしたりするなどの問題が発生。県庁には猫愛好家の来庁者も多く、県庁、周辺の飲食店、住民、猫ファンの間で野良猫の扱いを巡る対立が表面化した。結局、県は1月、動物愛護団体の協力で県庁内の野良猫を捕獲。繁殖を避けるため去勢手術を行った後、再び県庁内に放している。

最終更新:4/21(金) 10:30

産経新聞