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将棋・羽生善治三冠 藤井聡太四段が見せた注目の一手に「このまま定跡になる」

4/20(木) 10:00配信

AbemaTIMES

 羽生善治三冠(46)が、昨年10月に史上最年少14歳2カ月でプロ入り、さらにはデビュー以来13連勝という新記録を打ち立てた藤井聡太四段(14)の残した棋譜に、改めて高い評価を下した。

 東京都渋谷区の将棋会館で行われたインタビューで、AbemaTV将棋チャンネルの対局企画「藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~」の第1局から第6局を解説。第3局で見せた注目の一手には「このまま定跡になるのでは」と説明した。数々の強豪棋士を倒し、タイトル97期という前人未到の成績を残す羽生三冠の「羽生の目」に、藤井四段の指し手はどう映ったか。ポイントを振り返ってもらった。

―炎の七番勝負、第6局までの印象は?

 藤井さんの終盤における切れ味の鋭さがすごいという印象ですね。時間の短い将棋でも非常に手が見えていると感じます。一方、終盤力だけでなく、序盤の巧みさも目につきます。第1局の増田戦では駒組みの段階で作戦勝ちとなり、後手の増田さんが仕掛けざるを得ない局面に持って行ったのが非常にうまいと感じました。

 第3局の斎藤戦では図の局面から驚きの手順を披露しました。図から▲1一銀不成△3四金▲2二銀成△同角▲2六飛と進んだのですが、▲1一銀不成がすごい手です。△3四金や△3二金とされて銀が取られてしまう格好ですから普通、成は考えても不成は考えませんよね(笑)。本譜の△3四金では△3二金の方が良かったようですが、初見ですと△3四金と上がりたくもなります。ここで▲2二銀成とタダ捨てしたのが妙手順です。指されてみると「いい手だ」と分かりますが、▲1一銀不成~▲2二銀成はちょっと気づかない手順ですよね。▲2六飛と走られた局面で後手は歩切れが痛いです。この手順はこのまま定跡になるのではないかと思います。

 第4局の中村戦では互いの玉に対する距離感の正確さを感じました。図は▲2二歩に対し△7七歩成と後手が攻め合ってきたところです。ここから▲7七同玉△7六銀▲同銀△同角成▲6八玉△6六金▲2一歩成△4一玉▲2二と、と進みました。自玉の安全を考えると図では▲7七同金と取りたくなります。部分的には本譜の後手の攻めが厳しそうなのですが、▲2二とと引かれた手がすこぶる厳しい。後手玉周辺には金銀3枚がいてまだ堅そうなのですが、▲2二とと引かれた局面は必至級とでも言いますか、後手玉が半分詰んでいるような格好です。▲2二とに△同金なら▲2四角と出られて後手がまいります。これを見越しての図からの▲7七同玉で、藤井さんの互いの玉に対する距離感の正確さが現れていますね。

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最終更新:4/21(金) 13:25
AbemaTIMES