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アリアンスペース、ロケット再使用より「信頼」で勝負

4/20(木) 19:41配信

sorae.jp

ヨーロッパのロケット打ち上げ企業アリアンスペースは4月20日、東京都内で記者会見を開き、2017年以降のロケット打ち上げ事業について説明した。そこで繰り返し述べられたキーワードは「信頼」だった。

日本でのシェアは100%へ

アリアンスペースは2016年に11機のロケットで27機の衛星打ち上げに成功、現在は53機の衛星の受注残がある。日本企業の衛星打ち上げは今後、BS放送衛星を運用するB-SAT社の衛星を1機、CS放送や衛星通信を行うスカパーJSAT社の衛星を3機受注している。日本企業は現在、他社に打ち上げ発注をしておらず、アリアンスペースの日本シェアは100%だ。

またアリアンスペース東京事務所代表の高松聖司氏は、今後の日本市場では政府衛星と商業衛星を兼ねた衛星が増えてくると予測し、「単に安いだけでなく、政府の要望に応えられる打ち上げ企業が選ばれると考えている」と述べた。

新型ロケット2機種を開発

従来より打ち上げ価格を下げる新型ロケットは、2019年に小型のヴェガC、2020年に大型のアリアン6を打ち上げる予定で開発を進めている。ヴェガCは現在使用しているヴェガの後継。アリアン6はアリアン5と、かつて使用していた中型のアリアン4の後継となる予定と説明されたが、実際には現在使用している中型のソユーズの後継にもなるだろう。

新型ロケットは価格を抑える一方で信頼性も重要だが、ステファン・イズラエルCEOは、「アリアン5は連続77機、ヴェガは9機全機が打ち上げ成功した。新型ロケットは実証済みの技術と打ち上げ経験により信頼性を確保している」と述べた。

再使用は価格を下げるとは限らない

一方で、一般にアリアンスペースのライバルと目されるスペースXはロケットの再使用を成功させ、劇的なコストダウンを目指している。このことについてイズラエルCEOは「再使用がコストを下げるかどうかは実証されていないし、回収や整備などの新たなコストも掛かるだろう。また、コストと価格はイコールではない。総合的な判断が必要だ」と述べ、再使用には慎重な姿勢を示した。そして「アリアン6は信頼性を維持したままでコストを下げる。その次の段階として、従来の1/10の価格の新型エンジン『プロメテウス』の開発を進めている。再使用は市場動向を見据えながら検討していく」と、あくまで信頼性を最優先しつつ、将来の選択肢には再使用が含まれることを示した。

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最終更新:4/20(木) 19:41
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