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【WEC】開幕戦シルバーストン、トヨタの勝利と大クラッシュの真相をトヨタ村田氏が語る

4/20(木) 19:05配信

motorsport.com 日本版

 2017年FIA WEC(世界耐久選手権)開幕戦シルバーストンで、8号車トヨタTS050 Hybridが優勝を果たした。

【動画】7号車トヨタ、大クラッシュを喫す。ヨロヨロとピットに戻る姿がなんとも痛ましい

 レーススタートから1時間、トヨタは盤石のペースを発揮してポルシェを引き離したものの、降雨のせいで大乱戦となった。レース中盤には7号車トヨタが大クラッシュを喫し、優勝争いから脱落。8号車トヨタは立て続けに発生するイエローフラッグやセーフティカーのせいで、タイヤ温度の管理に苦戦した。しかし最終的には、ポルシェとのテール・トゥー・ノーズの戦いを制し、今季初優勝を決めた。

 トヨタのパワーユニット開発総責任者である村田久武は、今回のレースをどう見たのか。レース後に話を訊いた。

「最後めっちゃ面白かったね」と村田。

 レース中盤から終盤にかけ、8号車のペースが落ちてしまった場面があったが、その理由としてタイヤ温度の管理が困難だったことを村田は打ち明けてくれた。

「例えばポルシェのタイムと比べて見ると、タイヤを換えた直後は、タイム差が縮んでいました。でも、スティントの後半になってタイヤ温度が上がってくると再び引き離していくんですよね。(中嶋)一貴に関しても『温度のせいだから、もう少し車を振ってタイヤを温めろ』というレースエンジニアからの指示が出ていました。(そのおかげで)途中から一貴が調子を取り戻して走れていたと思います」

 レース終盤の8号車トヨタのセバスチャン・ブエミの猛プッシュは、レースのハイライトとして挙げられるだろう。その時のトヨタ陣営の様子について村田は語った。

「毎周毎周、大騒ぎでしたよ。後ろの方でアンソニー(・デビッドソン)とかの奇声が聞こえてきました。隣のピットがどうして応援してくれるんだろうと不思議に思っていたら、アンソニーたちの奇声でした。(ブエミがイン側を)刺した瞬間は、『愛してるー!』って叫んでました」

「最後(のポルシェのピットインの後)は前にいるはずだったのですが、結局(ポルシェが)8秒前でレースに復帰して、残り20分で8秒巻き返せっていう感じでした。それは現実的なことなのかと(レースエンジニアに)聞いてみたら、『我々はニュータイヤで、向こうは2スティント走っているタイヤだからなんとかしろ』とブエミに命じていました。その前の一貴の時も『20秒以上のタイム差をつけろ』ってオーダーが出ていて、毎周『プッシュだ』って言われていました。その光景をみて何年か前の富士を思い出しましたね」

 ブエミが首位を走る2号車ポルシェを追っていた時、トラックには小雨が降っていた。それにもかかわらず、2台はコンスタントに1分41秒台のタイムを記録し争い合った。その戦いにも村田は感心されられたという。

「スイッチ入っていたんじゃないの? あんな小雨の状態でよくタイム出し合っているなと思いましたよ。(2号車ポルシェもブエミに)抜かれた後はペースが落ちましたからね。我に返ったんじゃないですか」

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