ここから本文です

ラスベガスのカジノ、無料ドリンクは上客だけ

ウォール・ストリート・ジャーナル 4/20(木) 9:02配信

 【ラスベガス】フィル・フレッチャーさんと友人は、最近のラスベガス旅行で訪れたバリーズ・ラスベガス・ホテルのビデオポーカー・バーで、機械の裏に赤や緑のランプがあることに気づいた。

 カナダのウィニペグに住むフレッチャーさんは、年に3回はラスベガスを訪れる昔からの客だ。こうしたランプのことを聞いてはいたが、実物を見てショックを受けた。無料ドリンクに値する賭け金が投入されるとランプが点灯する仕組みなのだ。以前は賭け金にかかわらず無料ドリンクが出されていた。

 「少しずつ金を出させるようなやり方にすごくいらいらさせられるようになった」とフレッチャーさん。「客としては戸惑うばかりだ」

 ラスベガスが世界有数の観光地に変貌するにつれ、カジノ運営会社はこれまでギャンブラーを引きつけてきた特典を見直している。

 この1年、カジノがストリップ地区のリゾートで駐車料を有料化し始め、地元民や長年の客から批判が出ている。彼らはカジノでの無料駐車を神聖な伝統だと考えているのだ。

 一方、スポーツギャンブルを運営するスポーツブック各社は大型イベントにも乗じている。ハラーズ・ラスベガスのスポーツブックでは3月から4月にかけて行われた全米大学男子バスケットボール大会の期間中、5人用ブースに座るのに1人当たり375ドルかかった(ビール代込み)。昔はスポーツブックの席は大半が無料で、案内は来店順、それは大型イベントの期間中も同じだった。1、2回少額の賭けをすれば無料ドリンクをもらえた。

「経理屋がラスベガスを駄目に」

 1970年代初めからほぼ毎年ラスベガスを訪れているブラッド・ジョンソンさん(ノースカロライナ州在住)は「経理屋がラスベガスを駄目にした」と述べた。

 ストリップ地区のカジノでは、ギャンブル事業による収入の割合が縮小している。96年には、年間収入の過半がギャンブル事業によるものだったが、昨年はこの割合が約3分の1だった(ネバダ大学ラスベガス校調べ)。代わりにホテルやレストラン、バーの収入が増えている。

 MGMリゾーツ・インターナショナルはMGMグランドのビデオボーカー機で、十分な賭け金を投じた客にバウチャーを発行する実験を行っている。MGMリゾーツの幹部アラン・フェルドマン氏によると、バーのスタッフが遊んでいる客とそうでない客を見分けなくて済むようにすることが狙いだ。スタッフにはその代わりに、「どちらから来られたのですか」などと話しかける時間ができるという。

 バリーズ内のバーでバーテンダーをしているウェスリー・エンジェルさんによると、青のランプは客が機械に十分な資金(当初20ドル)を投じたことを示す。緑のランプはその金を実際に賭けたことを示す。

 その客が資金投入と賭けを続ければ、緑のランプはついたままだ。赤は、客のペースが落ち、最後の無料ドリンクを出す頃合いであることを示している。

 もっとも、ドリンクが「無料」かどうかは考え方にもよる。

 ロングアイランドからラスベガスに来ていたリリー・パラダイスさんは、特についていなかった状況を思い出し、「200ドルのドリンクを飲んだ日もあった」と話した。

By Chris Kirkham

最終更新:4/20(木) 9:02

ウォール・ストリート・ジャーナル