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1試合26奪三振!茨城でひそかに生まれた大記録

日刊スポーツ 4/20(木) 10:01配信

 ひっそりと、大記録が生まれた。笠間(茨城)藤田彪吾(ひょうご)投手(3年)が、14日の春季高校野球茨城大会水戸地区予選1回戦(対水戸桜ノ牧高常北)で県新記録となる毎回の26奪三振をマーク。64年夏に茨城・成田投手が上郷農(現・上郷)から奪った22三振の記録を更新した。

【写真】新記録を記録したサラサラヘアの笠間・藤田彪吾投手

 笠間市民球場で達成されたこの大記録を見届けた人間は、ごくわずかだった。茨城高野連記録部の緑岡・上田英雄理事(48)は貴重な1人だ。「スコアを見れば分かりますが、拮抗(きっこう)した試合で生まれた記録です。追い風でしたが(藤田投手の)ストレートは走っていたし、バットにボールが当たっていなかった。このすごい記録が50~60人の観客の中で生まれたんです」と証言する。新記録誕生にはさまざまな条件が重なった。上田理事は「コールドにならなかったこと、また(水戸地区の)県大会推薦出場校(水城、常磐大高)が出ていなかったこともあったと思います」と振り返る。

 公式スコアを見て、いろいろと驚いた。まず、26三振を奪っているのにスコアが6-3ということ。5四球で味方失策は2つ。相手4番の浅野投手にきっちり2本適時打を打たれている。そして、26奪三振のうち振り逃げはわずか1つだけ。1イニングにどれだけ振り逃げがあるのかと思っていたが、全くの見当違いだった。上田理事が「いい試合だった」というのもうなずける。

 17日に行われた水戸工との代表決定戦を取材した。藤田は先発したが、肩の状態が思わしくないこともあり、12安打6三振16失点(自責6)で5回コールド負けを喫した。それでも、縦横に投げ分けるスライダーで主軸から三振を奪い、力の入った高め直球で空振りを取った。大敗したが「新記録男」の片りんは垣間見えた。試合後、話を聞いた。

 -1回戦で26三振を取った実感はあったか

 数が多いなあとは思っていました。でも、全部三振を取ろうと思っていたので。

 -どうして

 前に練習試合をやったことがあって、その時に5回で13個三振を取ったんです。三振は気持ちいいですね。

 -普段はどれくらい投げ込むのか

 1週間で30球ぐらいです。

 -冬場はどんな練習を

 投球はそこそこやりましたが、ウエートトレーニングはサボっちゃいました(笑い)

 -高校卒業後、野球は

 続けないと思います。野球関係の仕事というよりは理学療法士とかになりたいです。

 藤田は50メートル走は5秒8の快足で、1番を打つ。余りある才能と天然っぷりが同居している。そんな、のらりくらりのイケメン右腕。本音はどこかにあるのかと思っていたら、これだった。

 「単独で出られて、勝ててたことがうれしかったんです」

 昨秋は5校連合チームで出場し敗退していた。「夏もまず1勝を目指します」。自分の記録に執着心はない。26奪三振の新記録には数字以上の喜びがあった。【和田美保】

最終更新:4/21(金) 11:27

日刊スポーツ

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