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【コラム】株高と低利回りはいつまでも続かない-エラリアン

Bloomberg 4/20(木) 15:49配信

歴史的に見て引き続き低水準にある債券利回りと、相対的に高水準にある株価。米金融当局が金融緩和に動くとでも信じない限り、ますます折り合いをつけるのが難しくなっている現象だ。

もっとつじつまが合って持続的な水準は、恐らくどこか中間にあると考えられる。それがいったいどこにあり、いつどのようにそこに到達するのかは主に地政学的影響と経済政策の効果とのバランスに依存することになる。

政治的・地政学的な懸念材料にも動じることなく、株式市場は極めて強度の回復力を繰り返し示してきた。安定的な成長や中央銀行による景気てこ入れ、さらなる流動性投入を巡る市場に深く根付いた確信に依拠したものだ。地政学的な不安定さがあっても、企業利益や経済成長の改善見通しが埋め合わせになるとの判断がある。

米国債市場の状況は異なる。10年債利回りはこのところ、昨年11月の米大統領選後に定着していた2.30-2.60%のレンジを下回って推移。地政学的な懸念に、低インフレや低成長を巡る心配が加わった。

国債相場と株価が相反するシグナルを発するのはこれが初めてでなく、最後でもないだろう。さらに、こうした不整合と並んで、企業や消費者の景気信頼感の強さと、低調なままのハードのデータとの乖離(かいり)といったものも存在する。

債券市場と株式市場からの相いれないシグナルに折り合いをつける唯一の方便は、米金融当局が新たな金融緩和に踏み切るとの予想だろうが、株価にも打撃を及ぼすような経済の深刻な落ち込みでもなければ、そのような可能性は極めて低い。

一段と可能性が大きいのは、国債利回りが上昇して株価が下落することでつじつまが合うという帰結だろう。それが現実となった場合、債券市場と株式市場がどこに落ち着き、その過程がどの程度、秩序だったものとなるかは主に二つの要素の作用となるだろう。

その要素とは、成長見通しにどれ程の地政学的な面からの悪影響があるかと、米国の政策の改革を通じ実際の成長と潜在的成長の見通しをどの程度向上させることができるかだ。投資家はしばらくの間、債券市場と株式市場との矛盾した状況がいつまで続くか、不安を募らせることになるだろう。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:High Stock Prices and Low Yields Can’t Last: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

Mohamed Aly El-Erian

最終更新:4/20(木) 15:49

Bloomberg