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エクスペリエンスデザインとは? UXとは何が違う? 電通Creative Technologist 岡田氏に聞く

4/21(金) 7:06配信

Web担当者Forum

「エクスペリエンスデザイン」は、言葉通りにとらえると「(ユーザーの)体験をデザインする」ことですが、モヤモヤと抽象的でイメージが難しいものです。

「モノ」から「コト」の消費へと時代が移るなか、顧客体験を中心に置いてサービスやプロダクトを考えるエクスペリエンスデザインがウェブサイト、アプリ設計などでも注目されています。

なぜいま、企業はエクスペリエンスデザインに力を入れようとしているのか。エクスペリエンスデザインで課題を解決するための考え方について、電通エクスペリエンスデザイン部の岡田憲明氏に聞きました。

 

エクスペリエンスデザインは、課題を定義することから始まる

――「エクスペリエンスデザイン」と聞いて、なんとなくはイメージできますが、明確な定義はあるのでしょうか。

エクスペリエンスデザインは、ユーザー体験を中心に考える課題解決手法の1つです。

いま、広告会社には従来のようなキャンペーン案件だけでなく、ウェブサービス、ブランド開発、時には未来を見据えたプロトタイピングなど、あらゆる企業の悩みが寄せられます。

企業が解決すべき課題は、ビジネス課題やスタッフの課題、そして顧客の課題と幅広いものです。そのなかで解決すべき課題を定義し、それを解決するには誰にどんな体験を提供すべきなのかを考えて実施することをエクスペリエンスデザインと呼んでいます。

エクスペリエンスデザインというと、一般的にユーザーが直接触れたり、体験したりするフロントのエクスペリエンスを考えがちですが、それだけではありません。我々は図1のように、社内に対する「スタッフエクスペリエンス」と顧客に対する「フロントエクスペリエンス」に大きく分けて考えています。

たとえば、モバイルアプリ制作でエクスペリエンスデザインを考えるなら、カスタマージャーニー(生活者を顧客化する筋道)を作成して顧客接点を可視化し、次の段階として「情報設計」や「UIデザイン」などのフロント部分を主に考えることが多いものです。

しかし、実際にそれらを最適な形で実現しようとすると、バックエンドのダッシュボードやスタッフのオペレーションを考えることが大事なケースもあります。

課題によっては、事業の再定義、専門組織の立ち上げ、ブランド定義などの根幹部分を考えることが主体になるケースもあり、これら一連の活動を通して結果的にエンドユーザーの体験改善を目指します。

エクスペリエンスデザインという言葉の対象範囲は広すぎるため、一緒くたに語られがちですが、プロダクトのエクスペリエンスデザインとウェブサービスのエクスペリエンスデザインでは、やるべきことが違ってきます。

プロダクトの場合は、フロントのデザインと、それをベースにした新しいオペレーションを考える事が重要です。対してウェブサービスの場合は、パフォーマンスの最適化や、CMSダッシュボードを作る事が重要だったりします。一言にエクスペリエンスデザインと言っても、やるべきことに違いがあります。

我々が重視しているのは、エクスペリエンスデザインの対象に合わせた考え方や手法を、最終的にモノやプロダクト、サービスに落とし込むことです。ビジョンやコンセプトだけで終わるエクスペリエンスデザインもありますが、エンドユーザーの体験まで考えると、やはり最終的な形にするべきだと考えています。

――つまりエクスペリエンスデザインとは、ビジネス上の課題を企業と顧客の視点から定義して何をするか考え、最適な手法を組み合わせてユーザー体験を改善することでしょうか。

そうですね。企業のビジネス課題にしろ顧客の課題にしろ、さまざまな課題に対応するためには、メソッドをたくさん持っていることが大事だと考えています。カスタマージャーニーを定義して顧客接点を可視化した後に、その接点の課題に応じてメソッドを組み合わせることが多いですね。

ウェブサービスであれば、定量的なデータ解析から課題解決を導き出すこともあります。しかし、サービスそのもののコンセプトから考え直す場合は、定性的なデザインリサーチから始めることもあります。課題に対して何がマッチしているかを考え、定性と定量の手法のバランスを考えることが大事です。

企業の課題も単純ではないので、手法を組み合わせるだけはなくカスタマイズする必要もあると考えています。

 

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最終更新:4/21(金) 17:06
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