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琉球植物の研究成果、写真集に 尖閣も調査、故新島義龍さん 教え子ら11月発刊へ

4/21(金) 6:30配信

琉球新報

 戦後沖縄の理科教育に尽力した元高校教師の故新島義龍さん(享年85)が生前調査した沖縄や南方の植物の資料について、関係者が写真集にまとめて発刊する計画を進めている。新島さんが長年撮りためた貴重な植物の写真を「後世への教育資材として活用したい」と教え子らが実行委員会を立ち上げた。新島さんの誕生月である11月の発刊を目指し作業に取り組んでいる。

 写真集のタイトルは「琉球列島の植物に魅せられて~新島義龍の足跡~」とする予定。

 新島さんは1931年、鹿児島県種子島生まれ。琉球大学への進学を機に拠点を沖縄に移し、卒業後は名護、辺土名、那覇、真和志、浦添、西原の沖縄県内の各高校で38年にわたり生物教師として勤めた。在職中は沖縄生物教育研究会の会員として「全国大会記念誌 沖縄の生物1984」の編集委員を担ったほか、53年には高良鉄夫元琉球大学学長率いる高良尖閣学術団(第3次調査)の一員として尖閣諸島の環境調査に臨んだ。

 尖閣諸島は固有の生態系を育みながらも、中国などとの関係を巡って現在は立ち入りが困難なため外務省や環境省も調査ができておらず、同学術団の一部データは国の基礎資料として使われている。

 名護高校時代の教え子で、同実行委員会委員長の大城正大さん(77)は「新島先生の残した“足跡”は学術的にも非常に意義深い」と強調した。

 編集委員長の新城和治元琉球大教授(81)は「郷土の自然・植物の理解に役立つだろう」と述べ、写真集は県内の各学校や教育機関に寄付する意向を示した。

 新島さんの妻ユキさん(81)は「夫は表に立つことを嫌う控えめな人だったが、山の中では生き生きと目を輝かせていた。写真集が社会への恩返しになればうれしい。きっと喜んでくれるはず」と話している。

 寄付の申し込みなどは事務局の安里富盛さん(電話)090(9072)8380まで。(当銘千絵)

琉球新報社

最終更新:4/21(金) 6:30
琉球新報