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移住促進対策で県西部が苦戦 首都圏からの距離ネック 求められる地域一体のPR 静岡

産経新聞 4/21(金) 7:55配信

 今後約20年で人口が現在の8割強に落ち込むと予測されている本県では、全県を挙げて移住促進対策に取り組んでいるが、県西部地域の苦戦が目立っている。首都圏からの距離が遠いことが最大のネックだが、他県でも同様の対策に力を入れており、「子育て支援」などのキーワードだけでは差別化が困難に。Uターン就職者の確保や昼夜間人口比率の改善など、自治体ごとに描く戦略も異なる中、“チーム西部”として一体となった地域のPRが求められている。

 県将来推計人口(平成25年12月発表)の最も厳しい想定では、52年(2040年)までに長泉町を除く34市町で人口が減少。総人口は308万8千人と、対22年比で82%にまで落ち込むと予測されている。25、26年には2年連続で転出超過が全国ワースト2位となったこともあり、県は27年度から「ふじのくにに住みかえる事業」として、都市部を含めた県全域で移住促進対策を本格化させた。

 県西部地域でも市町ごとに移住ガイドブックの作成や、首都圏での相談会などを実施しているが、首都圏から距離が遠いこともあり移住件数の伸びは鈍い。27年4月から28年12月までの移住者は、県東部が265人、県中部が144人だったのに対し、県西部は29人で、磐田市・袋井市・湖西市・森町ではゼロだった。

 今月中旬に磐田市内で開かれた県西部地域の移住促進対策会議では、掛川市倉真(くらみ)地区のまちづくり協議会の取り組みが紹介された。少子化で市立倉真小学校の全校生徒数が全盛期の7分の1ほどに減った同地区では、子育て世代を対象に、落花生の収穫や茶摘みなどの農業体験ができるワークショップを開催。横地静雄会長(66)は「実際に倉真に足を運んでもらう機会を増やし、子育て世代を呼び込みたい」と意気込む。

 ただ、一口に移住促進対策といっても、各自治体の思惑はさまざまだ。「65歳以下や育児世帯など、ターゲット層を明確にしたい」(浜松市)と前向きな意見がある一方で、「首都圏からの移住には限界がある。むしろUターン就職を促進させたい」(磐田市)という声も。愛知県からの通勤者が多く、昼間の人口を夜間人口で割った昼夜間人口比率が県内で最も高い湖西市の担当者は「県西部地域が中京圏からの通勤圏内であることをアピールするのは逆効果。県外からの通勤者を市内に移住させることを優先していく」と主張する。

 県くらし・環境部の高木繁政策監は「移住促進対策の推進には、市町によって温度差があるのも事実。市町単独ではなく、エリアとしての魅力を持ち寄り、チーム西部で移住の機運を盛り上げたい」と話した。

最終更新:4/21(金) 7:55

産経新聞