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東武500系リバティ始動…都心と会津、利用者それぞれの想い

レスポンス 4/21(金) 9:58配信

まだ観光客らの姿がない浅草、4月21日6時前。東武浅草駅3番ホームだけは多くの人たちで混雑した。5時57分、青みがかったLEDヘッドライトを灯し、500系がゆっくり入線。東武ダイヤ改正初日、26年ぶりの新型特急による1番列車だ。

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列車名「リバティけごん1号・リバティ会津101号」、列車番号1001・1011。「会津」というLED表示に「特別な想いがある」という人もいる。リバティ会津(500系3両)は、350系による急行「南会津」などの流れをくむ、東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道の3社線直通列車。2005年「南会津」廃止以来、12年ぶりの優等列車として、浅草と会津田島駅(福島県南会津郡南会津町)を1日4往復で結ぶ。

すべての列車がリバティけごん3両と手を組み、下り方にリバティ会津3両がつく。伊勢崎線や日光線などは6両編成で走り、SL列車の機関区などを整備中の下今市で分割・併合。下り列車は、リバティ会津が先に出発し、その後ろにつくリバティけごんが、1分後に日光をめざす。

1番列車を送る出発式には、同社 根津嘉澄社長や台東区 服部征夫区長、墨田区 山本亨区長らが登壇。

根津社長は「東武鉄道、26年ぶりの新型特急。リバティはさまざまな運行形態で運転でき、速達性と快適性を持った車両。最大の特徴は、3両固定編成を分割・併結できる機能。輸送量に応じた柔軟なダイヤを作成でき、さまざまな目的地へ、乗り換えなく案内できる。

観光地でいえば、日光・鬼怒川・会津、通勤では東武スカイツリーライン(伊勢崎線)から大宮・野田市へ直接、結ぶ。会津エリアにも直通するこの列車で、地域の利便性向上を図り、会津エリアの活性化に貢献していきたい。5月にはスカイツリータウン開業5周年、8月には鬼怒川線でSL大樹号の復活運転もむかえる。このリバティが、スカイツリータウンと日光・鬼怒川・会津エリアをつなぐ架け橋になるといい」と話した。

このリバティ会津は、都心から会津方面の観光客輸送を担うイメージだが、福島側からは、「会津から浅草方面へのダイヤ拡充も期待したい」という声がある。福島県南会津地方振興局の担当者は、こんなことを話していた。


「リバティ会津は、浅草を6時半、9時、11時、14時半に出る。いっぽうで会津田島を出る列車は、11時前、13時前、15時前、18時前。チェックアウト後の観光客や、日帰り旅行客のアクセスとしては便利だけど、地元の人たちが都心へ向かうダイヤとしてはもっと拡充したいところ。1番の11時前発リバティ会津で浅草に向かっても、下り最終のリバティ会津は、その到着後15分に出てしまう」

東武鬼怒川線の線路とつながる野岩鉄道や会津鉄道もリバティ会津の往来を後押しする。会津鉄道は、リバティ会津に会津田島駅で接続する「リレー号」(会津田島~会津若松)を運転。既存の特急「きぬ」「けごん」や、快速「AIZUマウントエクスプレス」と組み合わせ、「浅草から、下今市か鬼怒川温泉、会津田島と、どれか1回の乗り換えで会津若松まで4時間半で行ける」とアピールする。台東区 服部区長は出発式でこう伝えた。


「台東区は30年以上前から、世界遺産の街、日光や、祇園祭でも有名な南会津町と姉妹友好都市として交流してきた。それだけに、この日を心待ちにしていた。きょうは、南会津町の議長夫妻が、この一番列車に乗って、会津に帰る。これもうれしいこと。台東区には年間5千万人の観光客が訪れる。きょうをきっかけに、さらに交流が深まることを期待している」

また墨田区 山本区長は、「いままでも便利で、旅行客の足として活躍している路線が、日光・鬼怒川・会津と、ダイレクトに結ぶようになり、さらに快適で便利になった。通勤客にも利便性がある。そして、墨田区にある、とうきょうスカイツリー駅が、特急リバティ停車駅になった。国際観光都市をめざす墨田区にとって、これは大きなポイント。台東区と墨田区が姉妹都市を結んで40周年、記念すべき年にリバティが走り出した。墨田区、台東区、東武鉄道と連携をとり、これからも発展していきたい」と語った。

500系リバティの製造は川崎重工業が担当。東武鉄道向けに車両をつくるのは「1946年に納入した通勤型電車63系以来」という。観光にビジネスに、東武のフラッグシップとして活躍するリバティだが、東武特急を頻繁に使うユーザーにとってはさびしい一面もある。

車内販売が、ない。100系スペーシアにある販売カウンターやワゴンサービスは、このリバティにはない。浅草駅ホームの頭端にある構内売店の担当者は、「これから忙しくなるときがあるかもね」と笑っていた。



《レスポンス 大野雅人》

最終更新:4/21(金) 9:59

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