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楽天、快進撃の理由 大久保前監督にあえて聞く「若い選手が多いチームは僕みたいなのより梨田さんの方がいい」

夕刊フジ 4/21(金) 16:56配信

 下馬評の低かった楽天が開幕ダッシュに成功できたのはなぜか。19日の西武戦(メットライフドーム)には延長12回の末4-5でサヨナラ負けを喫し、連勝は4でストップしたが、同日現在11勝3敗でパ・リーグ首位に立っている。2013年に日本一になって以降は3年連続Bクラス。急に強くなった理由を、一昨年楽天を率いて最下位となり1年限りで辞任した前監督、“デーブ”こと大久保博元氏(50)にあえて聞いた。 (塚沢健太郎)

 楽天は5回まで3-0でリードしていたが、先発の則本が追いつかれ、延長12回にドラフト5位ルーキー・森原が浅村にサヨナラ打を浴びて、貯金を2ケタに乗せることに失敗した。この日は文化放送ライオンズナイターのゲスト解説として大久保氏が登場。もっとも、開幕前の順位予想はソフトバンク、ロッテ、日本ハムに続き、楽天は4位で、前監督も予想外の快進撃となっている。

 大久保氏は2012年に1軍打撃コーチとして楽天入り。翌13年には2軍監督として球団初の日本一を支えた。しかし1軍監督に昇格した15年は57勝83敗3分けで最下位となり1年で辞任。梨田監督が就任した昨年も5勝しか上積みできず5位に沈んだが、今年はどこが違うのか。試合後、大久保氏に聞いた。

 「球団創設から十何年、ずっとドラフトで投手を中心に獲っているから、投手はもともといい。これまでは打てなくて負けていたんです」

 実際、楽天が球団創設後ドラフトで野手を1位指名したのは、一昨年のオコエ瑠偉ただ1人(2004年の自由獲得枠を含み、育成ドラフトは除く)。今季の打線は茂木、ペゲーロの“超攻撃型1、2番”が大成功。「13年に日本一になったときは、AJ(アンドリュー・ジョーンズ)とマギー(現巨人)に回せば点を取ってくれるという打線だった。今年は茂木とペゲーロの1、2番がそうなっている」と指摘。打線に核ができたことを快進撃の要因に挙げる。

 プロ2年目の茂木は一昨年のドラフト3位。ペゲーロは昨季途中の7月末に加入。ともに“デーブ楽天”時代にはいなかった選手だ。茂木はこの日も、今季2本目の先頭打者弾となる4号ソロ。大久保氏は「バットのヘッドの使い方が天才的。本塁打30本は軽く打てる。そこを目指した方がいい」と高く評価する。ペゲーロも5回、両リーグを通じ単独トップの6号ソロを放った。

 「すごいヘッドスピードで、すごく飛ばすヤツがいると、前からリストにはあった。僕は『獲ってほしい』とお願いしていたんだけど、『日本ではバットに当たらない。通用しないんじゃないか』と見送られた」と明かす。

 大久保氏は恨み節は口にしないが、“一昨年獲ってくれていれば…”というのが本音かもしれない。大久保氏の退団後、球団は昨年今江、今年は岸をFAで獲得するなど補強を進めている。一方、いま楽天の快進撃を支えている主力には、大久保氏が手塩にかけて育てた選手も多い。WBC日本代表に選出され、リーグを代表する守護神となった松井裕も、大久保氏が監督時代に抑えに転向させた。

 この日は同点の9回に登板し、2死二塁のピンチでは秋山を敬遠気味の四球で歩かせ、後続を断った。「一昨年は松井を成長させるために、どんな場面でも敬遠をさせなかった。でも、もう成長したから」と笑った。苦労して選手を育てたのは大久保氏、“収穫”するのは梨田監督だとすると、気の毒な気がするが、大久保氏はこう首を横に振った。

 「こういう若い選手が多いチームは、僕のような『おりゃ、行くぞ!』みたいなのより、梨田監督のような柔らかいタイプの方がいいんですよ。梨田さんの器量です」

 ダジャレを駆使するベテラン監督の方が、チームカラーに合っているという。

 「僕のときは岡島も島内もケガしてリハビリをしていた。(前任者の)星野監督が育てて、使えるようになっていた選手を、僕の力量のなさでケガをさせてしまった。ケガが多かったとか、選手がそろわないとか、それも含めて監督の力量です」と反省の弁。

 「今日のような完全に取れた試合を、(8回に)ウィーラーのエラーで追いつかれ、落としてしまった。強いチームはああいうエラーはしない。こういう試合からガタガタッといかないチームでいてほしい。このままいってほしい」と警鐘をならしつつ楽天にエールを送った。

最終更新:4/21(金) 17:53

夕刊フジ