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外国人から熱い視線 新宮市熊野川町周辺 熊野TBの努力実る 和歌山

産経新聞 4/21(金) 7:55配信

 新宮市熊野川町周辺が外国人から熱い視線を浴びている。廃校となった校舎を再利用した宿泊施設「小口自然の家」に平成28年度に泊まった外国人の数が、対前年比3割増と大幅に伸びたことが20日、新宮市商工観光課の統計で分かった。今年3月からは外国人客が宿泊客の9割を占めるという人気ぶり。自然の家だけではなく、周辺の民宿にも波及効果が広がる。その背景にあるものは…。

 商工観光課によると、小口自然の家の26年度宿泊者数は3030人(外国人708人)、27年度3252人(同1328人)、28年度3298人(同1713人)。全体的にはなだらかな増加傾向だが、外国人客だけをみると、26年度の2・5倍と急増、前年度の3割増となったことが分かる。

 国別にみると、28年度の上位3カ国は(1)オーストラリア732人(2)米国279人(3)英国131人と、オーストラリアが突出していることが分かる。

 自然の家で管理人を4年間務めている小河二見博(ふみひろ)さん(66)は「オーストラリアでは熊野古道がテレビで放映されたことで人気があるそうです。そのほか、口コミで来る観光客も多い」と話す。

 ただ、外国人客が来るのは観光コンテンツのすばらしさだけではない。

 珍しい道の世界遺産(巡礼路)とされるのは、世界でもスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と、「紀伊山地の霊場と参詣道」のみ。田辺市とサンティアゴ市は、両方の道をたどった人に「巡礼手帳」を発行しており、すでに500人以上に上るという。

 田辺市の熊野ツーリズムビューロー(TB)では発足した10年前から外国人客の呼び込みをスタートした。

 山間部で英語が通じない宿泊施設やクレジットカードが使えない場所では、外国人客が事前に決済を済ませ、不便を感じることなく熊野古道を楽しめるプランを開発。山間地域へ客を送り込む手立てを確立した。

 熊野TBの小川雅則事務局長(56)は「日本版DMOの先駆けといわれました。地域にお金を落とす効果が、ようやく出始めたのかもしれません」と話している。

 小河さんは「今年3月からは9割が外国人です。引き続き増加しており、熊野TBの力が大きいと思います」とさらなる成果に期待を寄せている。

最終更新:4/21(金) 7:55

産経新聞