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<福岡3.8億円強奪>大金運搬は複数で…安全対策

毎日新聞 4/21(金) 13:52配信

 ◇銀行「外は責任持てない」

 福岡市で20日に発生した強盗傷害事件では、白昼の路上で銀行から引き出したばかりの現金約3億8400万円が奪われた。仕事の取引などで数百万円や数千万円などの一定のまとまった額を引き出す人たちは少なくなく、現金引き出し後の安全対策が議論になりそうだ。個人で現金を持ち運ぶことが多い自営業者らは不安感は隠せず、銀行関係者は「利用者側の自己責任」として予防線を張る。【合田月美、浅川大樹】

【写真】現金が奪われた現場周辺

 今回の事件の被害者は約3億8400万円をスーツケースに入れて一人で運び、銀行近くの駐車場に止めていたレンタカーに積み込もうとしたところを襲われた。

 金沢市で貴金属店を営む50代男性は「仕事の関係で、普段から100万円単位で引き出して持ち歩くので今回の事件はショックだった」と声を震わせる。「現金を引き出す際は単独では行動しないようにし、周囲に十分注意しなければと再認識した」と語った。

 東京都千代田区のコンサルタント会社で役員を務める50代の女性は「銀行内で送金して取引は完結させており、多額の現金を持ち出すことはない。送金手数料が高いと思っていたが、今回の事件のようなリスクを考えると安いものだと思い直した」と話した。

 九州が拠点の銀行に勤めるベテラン行員によると、仕事の関係で数百万円や数千万円の現金を引き出す人たちは少なくない。こういう場合、セキュリティー対策として応接室など人目の付かない場所で現金を渡している。

 今回の事件は銀行から出た直後に発生したが、この行員は「銀行内ならば銀行側に安全確保の責任があるが、外に出た後の対策をマニュアル化している金融機関はないのではないか。一人で現金を運ばないなど、自己責任でやってもらうしかない」と語る。別の銀行の20代の行員も「一歩銀行の外に出ると、銀行側が防犯対策を取るのは容易ではない」と話す。全国銀行協会(東京)は「事件の全容が判明しておらず、コメントは差し控えたい」としている。

最終更新:4/21(金) 14:01

毎日新聞