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【ライブレポート】<千歌繚乱vol.11>、個性を闘わせた若手V系6バンド

4/21(金) 12:23配信

BARKS

若手ヴィジュアル系を集めたライブイベントシリーズ<千歌繚乱>の11回目の公演が、4月14日(金)に渋谷REXで開催された。

◆ライブ画像

<千歌繚乱>は「若手バンドを応援する」というコンセプトのもと偶数月に行われているイベントライブで、この日は全国からCANIVAL、逆襲の自作自演屋。、KRAD、XEPPET、Hysteria、BRATBAXという6つのバンドが集まった。会場では出演バンドに独自取材を行ったフリーマガジンも配布され、バンドの掲げるテーマやおすすめ曲などを知ったうえでステージを見られるという工夫もなされている。

SEに合わせたファンの激しいヘッドバンキングと拳に迎えられて、最初にステージに立ったのはKRAD。登場の勢いをそのままに、一曲目から彼らのヘヴィでダークな音楽性が一番体現された楽曲「SKELET」を披露し会場にKRADがどういったバンドなのかを知らしめた。

そこから安定感ある宗(Vo)の低音ボーカルを重厚なサウンドにのせた楽曲を繰り出し、しっとりとした闇に誘うような「Dead flower」ではヴィジュアル系バンドならではのムードを作り上げた。その空気に、一口にダークと言っても色々な表現があることを思い知らされる。ラストはライブの定番曲「螺旋」。メンバーの激しい煽りとそれに応える観客の激しい叫声でフロアには一体感が生まれ、ボルテージを上げつくした。KRADは全曲通して自分たちの感情をぶつけるような激しいライブステージを作り上げ、このイベントの幕開けに相応しい盛り上がりを見せてくれた。

次に登場したのは2月に始動したばかりのXEPPET。メンバー全員がヴィジュアル系バンド未経験者ということもあり、若手バンドらしい新鮮さでKRADの作った光景を一変させる。“エモーショナル・ヴィジュアル・ロック”をコンセプトに掲げる彼らの楽曲は耳なじみのよいメロディが特徴だ。

3曲目「トーキョーブレインウォッシング」ではファンが曲に合わせて楽しそうにジャンプ。そして彼らの代表曲「Raise A Flag」が始まるとファンが曲名の通り旗を高く掲げ、サビを一緒に口ずさむ場面も。若手ならではの、バンドの未来を感じさせてくれる光景だ。同楽曲はメンバー全員一致で“これをバンドの始まりの曲にしよう”と選ばれたもの。その経緯の通り、これから未来に向かっていく強い決意が感じられる楽曲だ。ライブステージでは粗削りながらがむしゃらに音楽に向き合う姿勢も垣間見え、彼らの今後の活動に期待が寄せられる。

続いては福岡を拠点に活動するHysteriaのステージ。東京でイベントライブに出演するのはこれで2回目という彼らだが、地元九州から駆け付けたファンのほかに都内在住のファンの姿も見受けられ、音楽に県境がないことを証明してくれた。華やかな出で立ちの彼らがステージに登場すると、一気に会場の熱が上がる。

「今夜は素敵な夜にしよう」とYao(Vo)が述べ始まった「ペルソナ」では激しいヘッドバンキングが繰り広げられ、「ミラージュ」のメロディアスな翡翠(Gt)のギターソロにはファンが酔いしれる。ヴィジュアル系のライブらしい楽しみ方ができる構成だ。モッシュの起こる「Nymphomania」からストレートな曲調のラスト一曲「logue」まで怒涛の勢いで久々の東京でのステージを攻めきった。

ここまでの雰囲気をガラッと変えたのは4バンド目のBRATBAX。ファンの身に着けた電飾のリングが煌めく中登場したXiAN(Vo)が「遊ぼうぜ!」とフロアに問いかけ、「BorroWorrob」でライブがスタートした。BRATBAXは一見するとポップなバンドのように見えるが、悪童という意味を含むバンド名の通り楽曲にはちょっとした“毒”も含まれている。軽やかな曲を演奏するかと思いきや、重めの音にのせて辛辣な歌詞を歌うそのギャップも楽しい。

全4曲が披露されたがいずれもメンバーのステージングもファンの振り付けもばっちり息が合っており、終始フロアには笑顔が溢れている。その最高のノリのまま四つ打ちのリズムと爽やかな歌声で描かれる「eeny meeny miny moe」でBRATBAXのステージが幕を下ろした。

次は逆襲の自作自演屋。が昭和歌謡のようなSEとともにステージに現れる。ステージ上にはバンド名が書かれた幕や提灯などが置かれ雰囲気も抜群。最初に演奏されたのは、5月にリリースされる新曲「黄昏更新曲 ~辞世の唄~」だ。続く「般若恋地獄」では吟(Vo)が赤い和傘を掲げステージに彩りを加えたほか、タンバリンや拡声器を使う楽曲もあり曲のテーマに合わせたさまざまな演出で視覚も聴覚も楽しませてくれる。

メンバーの作り出す雰囲気だけでなく、「錯乱」では“難攻不落 南無阿弥陀仏”という歌詞に合わせファンが手をあわせ拝む振り付けなどもありファンの動きもステージの完成度に色を添える。逆襲の自作自演屋。は演出、衣装、MCと細部にわたって昭和歌謡の世界を徹底的に演出しており、25分間のステージで独特の世界を生み出した。彼らのライブは一度見れば癖になってしまうような中毒性を持つ。

イベントのラストは四国を拠点に活動しているCANIVAL。四国というバンドの少ない地方にありながらTwitterを使った本イベント独自の企画「RTバトル」で一位を獲得し、他のバンドよりも長い演奏時間とトリという見せ場を勝ち取った。そのためメンバーの気合もファンの気合も充分で1曲目の「MOTEL」からフロアがジャンプで揺れる。2曲目の「孤独癖のメメント・モリ」では志輝(Vo)の感情のままのような叫びが胸を打ち、3曲目の「毒ロマンス」では楽器隊の色気ある演奏スタイルが楽しめる。

激しいサウンドに乗るどこか切なさを感じさせる美しいメロディの楽曲。そこにメンバーの華やかな見た目が相俟って“これぞヴィジュアル系”のライブだと言えるCANIVALのステージ。MCのあとは激しいデスボイスで始まる「激痛」、フロア全体にモッシュが起こる「クソガキ、ツキニナク。」が続けざまに披露され、最後は「in Charllotte...」で観客を煽り逆ダイブを起こす。都内で活動するバンドにもまったく引けをとることのないステージを魅せつけた。

この日出演した6バンドは、若手ながらもしっかりと自分たちの個性と伝えたい音楽を打ち出してきた。どのバンドのステージにも心を掴まれるシーンがあり、こういったイベントライブのひとつひとつから未来のヴィジュアル系シーンを引っ張っていくバンドが生まれていくのだろう。なお、BARKSではこのイベントに出演したバンドのインタビューも公開中。今のヴィジュアル系シーンを生きる若手バンドたちの思いに、ぜひ目を通して欲しい。イベントライブ<千歌繚乱>の次回開催は6月20日(火)。こちらには乙女国家、ギザ、DAZ、DatuRΛ、 BABOO、PIGLOW in GLOOMY、HOLYCLOCKという7バンドが出演する。BARKSではこの7バンドへの独自インタビューも実施予定。チケット発売などの詳細は追って発表される。

文◎Yoko Hattori(BARKS)

セットリスト
■KRAD
1.SKELET
2.餌喰
3.Dead flower
4.螺旋

■XEPPET
1.warless
2.crown
3.トーキョーブレインウォッシング
4.New World
5.Raise A Flag

■Hysteria
1.ペルソナ
2.ミラージュ
3.Nymphomania
4.【TYPE】C
5.logue

■BRATBAX
1.BorroWorrob
2.WINKY WINK
3.Albino
4.eeny meeny miny moe

■逆襲の自作自演屋。
1.黄昏行進曲~辞世の唄~
2.般若恋地獄
3.愛してる
4.錯乱
5.黒幕

■CANIVAL
1.MOTEL
2.孤独癖のメメント・モリ
3.毒ロマンス
4.激痛
5.クソガキ、ツキニナク。
6.in Charllotte...

最終更新:4/21(金) 12:23
BARKS

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