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<宅配伝票で私的メール>ツイッター実況中継で早期解決

毎日新聞 4/21(金) 20:36配信

 「良かったらLINEしませんか?」。愛知県内で12日、ヤマト運輸から業務を請け負う男性配達員が伝票にあった携帯電話番号を悪用して、荷物を届けた女性に私的なメールを送った一件。発覚のきっかけは、女性の交際相手のツイッター投稿だった。その後も県警やヤマト運輸の対応をツイッター上で“実況中継”し、新聞やテレビが追いかけた。被害者側のネット発信で急展開した経緯をたどる。【福永方人】

 ◇被害女性になりすましてやり取り

 12日午後11時50分ごろ、ツイッターにこんな投稿が載った。「彼女の名前で受け取った荷物から勝手に電話番号でショートメールしてきてどういうつもりですかねぇ…」。不審なメッセージや、被害女性になりすまして無料通信アプリ「LINE(ライン)」で配達員とやり取りした画面が添付されていた。投稿者はハンドルネーム「ぜろめが」。女性と交際する20代男性だ。

 男性 どこで電話番号知ったのですか?

 配達員 伝票に書いてあるんだよw 破損とか確認とかで電話するときもあるからさ

 男性 それを私的な目的で利用したわけですね?

 配達員 そーなるね すいません

 男性 謝って許されると思ってますか?

 このあと配達員は連絡を絶ち、男性は警察に通報した。「警察署行きます」「生活安全課に女性が当直でいるそうなので行って話すことになりました」とリアルタイムで投稿。ネット上で話題となり、多いもので2万4000回以上リツイート(拡散)された。

 ◇拡散…騒ぎに…警察警告、契約解除

 騒ぎに気づいた報道各社も13日以降、県警やヤマト運輸を取材し、同日中に県警が警告を出し、同社は配達員との契約を解除した。その一方で、男性の投稿には「嘘(うそ)はやめようね!」「ヤマトがブラック企業であることをネタにしたボケ」などの批判も寄せられた。

 男性は取材に「同様の被害を増やさないために、多くの人に早く知ってもらいたかった。批判も含め騒がれることは予想していた。投稿しなければ県警やヤマト運輸の対応はもっと遅かったと思う」と話した。

 米国ミネソタ州で昨年7月、黒人男性が警官に射殺される事件があり、居合わせた恋人の女性がフェイスブックで生中継。世論を大きく動かし、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が被害者側の強力な武器となることを示した。

 その半面、男性が投稿した画像には配達員の携帯電話番号やLINE上の名前が含まれ、配達員の個人情報がさらされる恐れもある。実際、ツイッター上で「特定はよ」と配達員の特定をせかす書き込みもあり、ネット告発の危うさも浮かぶ。

最終更新:4/22(土) 7:10

毎日新聞