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「強盗、強盗」白昼に響き渡る絶叫 金塊購入資金強奪事件、事前に把握か

産経新聞 4/21(金) 7:55配信

 「強盗、強盗」。白昼のオフィス街に叫び声が響き渡り、猛スピードでワゴン車が走り去った。九州最大の繁華街、福岡市中央区天神で20日、約3億8千万円が強奪された事件。被害に遭った男性(29)が追いすがる中、車で振り切った逃走劇に商業ビルが立ち並ぶ一帯は騒然となった。約4キロ東の福岡空港では同日夜、多額の現金を持った韓国人らが見つかり、福岡県警は慎重な捜査を進めた。彼らが事件に関与したのか、犯人は巨額の現金の存在を知っていたのか。真相解明に向けた捜査が始まった。

 「引き出したカネで金塊を買い付ける予定だった」。都内の貴金属店に勤務しているという被害男性はこう説明しているが、犯行グループは男性が多額の現金を引き出すことを事前に把握していたとみられる。

 確保された男らは現場で目撃された男と特徴が異なり、犯行への関与を否定しているというが、県警は犯行グループが事前に情報を把握した経緯など、男らが事情を知っている可能性もあるとみて聴取している。

 男らが確保された福岡空港では同日午後10時半ごろ、入国管理局や税関などが入る国際線ターミナルで県警の捜査員ら約10人が「保安センター」と表示された一室に出入りを繰り返すなど慌ただしく動いていた。多くの報道陣も空港ターミナルや福岡空港署の前に集まった。

 事件は昼休みの会社員らが行き交う同日午後0時25分ごろ発生。みずほ銀行福岡支店で現金を引き出した男性が男らに襲われた。犯行グループは、コインパーキングからワゴン車で逃走したとみられる。

 近くのコンビニエンスストアで買い物を終えた男性会社員(28)は、タイヤがきしむような大きな音で異変に気付いた。「目の前を、白い車が尋常じゃない速度で通り過ぎた。周囲の人と『何事か』と顔を見合わせた」と振り返る。

 ワゴン車は福岡市役所前を通過。市役所北玄関にいた男性警備員は「怒声のような大きな声が聞こえた。何事かと思っていると、しばらくして覆面パトカーが猛スピードで走っていくのが見えた。こんな時間に強盗事件が起きるなんて」。

 市役所前広場のキッチンカーで営業していた女性(49)は、ワゴン車と、「強盗」と叫びながら追いかける男性を目撃。「最初は、ひったくりか何かだと思った。その後にパトカーが次々にやってきて、大事件だと知った。巻き込まれなくてよかった」とおびえた表情で話した。

 福岡市では昨夏、約2キロ離れたJR博多駅前で、6億円相当の金塊が盗まれる事件が発生した。犯人はまだ捕まっておらず、市民からは不安の声が上がる。

 福岡市南区の自営業、来田良武さん(72)は「数億円規模の事件が立て続けに起きれば、福岡にはカネがある上に備えが甘いというイメージが定着してしまうかもしれない。警察は犯人逮捕だけでなく、犯行を未然に防ぐ策を考えてもらいたい」と話した。

最終更新:4/21(金) 9:44

産経新聞