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セレブな体験をできる世界で2番目に小さな国、モナコの魅力をアピールする「モナコ・ロードショー2017」開催

Impress Watch 4/21(金) 18:15配信

 地中海のフランスとイタリアに挟まれた地域に位置するモナコ公国(以下モナコ)は、バチカン市国に次いで世界で2番目に小さな国として知られている。バチカン市国は、ローマ法王を中心としたカトリックの総本山が国家としての側面も持つ“宗教の国”であるのに対して、モナコ公国は大公アルバート2世(日本にも公太子時代の1998年の長野オリンピックに選手として来日したことで話題になった)を中心とした公国で、いわゆる“普通の国”としては事実上世界で1番小さな国といっても過言ではない。

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 そのモナコ公国は、面積が東京の皇居の倍程度(約2km2)ながら観光立国となっており、モンテカルロ地区と呼ばれる地区には5つ星の高級ホテル、カジノ、高級スパ、世界の一流ブランドがこぞって店を出しているショッピングセンターなどが所狭しと並んでおり、世界のセレブが集まる街としても知られている。また、タックス・ヘイブンの国としても知られており、F1ドライバーのようなセレブが住む街としても知られている。例えば2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグ氏は、ドイツ国籍だがモナコで生まれ育ち、モナコに居住するなど、セレブが住む街としての側面もある。

 そうしたモナコで観光振興を担当しているモナコ政府観光会議局の局長 ギョーム・ローズ氏が来日し、「Expand Your Horizon」をテーマに、モナコの魅力を報道関係者や旅行業界関係者に説明した。

■国土が小さくなったことを逆手にとってモンテカルロ地区に高級観光施設を建設したモナコの歴史

 モナコ政府観光会議局 局長 ギョーム・ローズ氏はプレゼンテーションの最初でモナコの歴史について説明した。同氏によればモナコの歴史の始まりは1297年にジェノバ人に統治されていた同地を、グリマルディ家が征服したことから始まっており、当時のグリマルディ家の紋章が、今でもモナコの紋章になっているのだという。

 そうしたモナコに大きな転機が訪れたのが1861年、当時の領土の95%を失う事件があり、実質的にモナコの領土は首都だけが残ることになったのだという。その結果、小さな国土でも生き残れるようなソリューションを探す必要に迫られ、「現在モンテカルロ地区と呼ばれているエリアに、ヨーロッパの億万長者たちを引きつけるような施設を作っていった、そしてそこを当時のモナコの共通語だったイタリア語風にモンテカルロと呼ぶようになった」(ローズ氏)という戦略がとられたとのことだ。

 モナコといえばモンテカルロというほど、その地区名はよく知られているが、モンテカルロというのは東京でいえば明治以降に首都の中枢として発展した千代田区みたいなもので、元々は市街地ではなかったのだという。どちらかといえば“新市街”であり、そこに高級ホテル、カジノ、劇場、スパなどの観光施設がどんどん作られていき、現在のような“モナコといえばモンテカルロにある高級ホテルやカジノ”という形ができあがっていったのだとローズ氏は説明した。

 その後のモナコの歴史は日本でもよく知られており、先代の大公となるレーニエ三世の時代にモナコは経済的に大発展を遂げた。レーニエ3世は、有名なハリウッド女優であるグレース・ケリーと結婚し、そのグレース大公妃との結婚式は世界中で大きな話題になった。そのレーニエ3世とグレース大公妃の長男が現在の大公となるアルベール2世で、日本には1998年に行なわれた長野オリンピックに、モナコのボブスレーチームの1人として来日して大きな話題になったことを記憶している読者も少なくないだろう。

 なお、日本とモナコの外交関係は、2006年に結ばれて今年で11年目となる。あれ? たったそれだけ? と思う方も少なくないと思うが、これはフランスとモナコが1918年に締結した「フランス・モナコ保護友好条約」のもと、外交に関してはフランス政府から一定の制約がかけられていたことに起因している。その条約が2005年に「フランス・モナコ友好協力条約」へと改定され、モナコ政府が外交の自主権を回復したことを受けて、2006年に日本との間で外交関係が樹立されたという経緯を経ている。

 もちろん、それ以前にも日本の皇室とモナコの大公家の間でいわゆる皇室外交は行なわれていたため、両国の関係は非常に深いのだが、公式な外交関係という意味ではそうなっていると、モナコ公国 在東京モナコ公国名誉総領事館 名誉総領事を務める小林健氏は説明した。

■既存のホテルの改装や、新しく海上に建設するホテルなどインフラへの投資を明言

 モナコ政府観光会議局のローズ局長は、モナコで行なわれる新しいイベントについての各種の説明も行なった。

 7月7日~16日に予定されている「Dinner In The Sky」という新しい企画は、現在大きな注目を集めているという。個人でミシュランの星が付けられるシェフが6人も参加するこの企画は、席どころか机ごと宙づりになりながらランチやディナーを楽しめるという、高所恐怖症の人には考えられない企画。1回あたり22席が用意されており、1人あたりの価格は12万円ほど。

 ローズ氏は「モンテカルロの中心で行なわれるこの企画には、すでにたくさんの予約が入っており、ロシアの人が入れた予約では22席すべてを1人で予約し、プロポーズに使おうと計画している」という例のように、やはりセレブな観光客に人気を集めているそうだ。

 そのほかにも、F1ドライバーもよく行くという「Amber Summer」のラウンジ、一流のミュージシャンが参加するコンサート、ミュージカル、ダンスイベントなどが多数開催される予定だという。もちろん日本でもよく知られているF1のモナコGPが5月27日決勝で行なわれる予定であるほか、電気自動車のフォーミュラカーレースとして注目を集めているFormula Eのレースも5月13日決勝で、F1のモナコGPと同じコースを利用して行なわれる。そのほかにもヨット関連のイベント、高級ブランド関連のイベントなど、イベントが目白押しというのがモナコの1年となる。

 ローズ氏は「こうした沢山の観光資産を抱えているモナコだが、未来への投資も行なっており、現在ホテル・ド・パリなどの高級ホテルを大改装しているほか、2025年の完成に向け、海上を埋め立てて新しいホテルを建設する」と述べ、今後も旅行者のメリットになるようなインフラへの投資を続けていくことを強調した。

■モナコの高級ホテルの魅力は伝統とモダン、そして地中海

 プレゼンテーションには、モナコを代表する2つの高級ホテルの担当者も登壇し、それぞれのホテルの魅力を説明した。

 モンテカルロ ソシエテ・デ・バン・ド・メール 日本代表 伊藤宏和氏は、オテル・ド・パリ、オテル・エルミタージュ・モンテカルロなど、モンテカルロ地区の高級ホテルやカジノを所有する同社の概要などについて説明した。伊藤氏によれば、同社は株式市場に上場もされている公開企業ながら、筆頭株主はモナコ公国という半官半民の企業で、モンテカルロの観光資産を運営管理する企業となっているのだという。

 同社がモンテカルロに持つホテルは4つで、「オテル・ド・パリ」「オテル・エルミタージュ・モンテカルロ」「モンテカルロ・ビーチ」「ベイ・ホテル」という4つのホテルで、うち前者3つが5つ星、ベイ・ホテルが4つ星のホテルになるという。

 オテル・ド・パリとオテル・エルミタージュ・モンテカルロはいずれも伝統的なホテル。なかでもオテル・ド・パリは「カジノ・ド・モンテカルロ」というモナコで最も有名なカジノの向かいに立っており、1864年に開業したという伝統と格式を持ったホテルになっている。伊藤氏によれば元々は180室のホテルだが、現在は改装中で53室のみで営業中とのこと。2018年の末に完了する予定だという。

 もう1つのオテル・エルミタージュ・モンテカルロは1900年開業で、ベルエポック様式を取り入れた建物となっており、278室でモンテカルロ地区のなかでは大型のホテルとして営業しているとのこと。

 なお、同社はほかにも、4月にロレックスマスターズが行なわれるセンターコートを備えるテニス場、ゴルフ場、プール、マリンスポーツ場などを備えており、同社のホテルに宿泊していると割引料金で利用できることなどが紹介された。

 フェアモント モンテカルロ レジャーセールス部門 マネージャ 伊藤孔志氏は、モンテカルロの海側にあるフェアモント モンテカルロについての説明を行なった。フェアモント モンテカルロは、F1モナコGPで最も有名なコーナーだといってよい「フェアモントヘアピン」がある。

 F1ファンには現在のフェアモント モンテカルロのかつての名前だったローズホテルにちなんで、“ローズヘアピン”という通称の方が有名なフェアモントヘアピンは、F1カーが最も低速で走るコーナーとしても知られており、過去には数々の有名なパッシングシーンやアクシデントの舞台になったことでも知られている。

 実際、フェアモントホテルの山側の部屋は、モナコGPが開催される期間中は特等席として人気を集めているほか、F1コースの海側のトンネルとなる部分の真上がまさにフェアモント モンテカルロとなるため、海側の部屋は美しいシービューで人気を集めているということだった。なお、フロントには日本語を話せる担当者がいるほか、日本人のコンシュアージュが常駐しているなど日本人向けのサービスも充実していることが特徴だと説明した。

■旅行の達人2名がモナコ旅行の魅力を語るトークショー

 イベントの冒頭ではトラベルジャーナリストの中村孝則氏と板倉由未子氏によるモナコ旅行に関するトークショーが行なわれた。

司会:自己紹介を。

中村氏:最近は食関連の取材が多い、今日はモナコの食の魅力を中心に共有していきたい。

板倉氏:トラベルジャーナリスト、五感に響く旅をテーマに取材している。今日は中村氏と一緒にお話できて楽しい時間になると思っている。

司会:モナコに行ったときの感想や魅力を教えてほしい。

中村氏:20代の半ばに初めてヨーロッパに行ったとき、モナコに行ってみたくて初めて行った。

板倉氏:最初に行ったのは20歳のときで、祖母に成人式の着物を用意すると言われたが、それを断って、それを元手にしてモナコと南仏に行った。印象深い国の1つである。

司会:お2人とも若い頃にモナコに行かれているが……。

中村氏:1980年代終盤頃で、編集者になったばかりだった。その頃雑誌でモナコ特集とかをやっており、まさに憧れの場所。すべてが揃ってる場所という印象だった。

板倉氏:近隣の南仏と違ってすべてが揃っているという印象だった。

司会:モナコの食の印象を教えてほしい。

中村氏:今注目しているのは「ル・ルイ・キャーンズ・アラン・デュカス・ア・ロテルド・パリ」というレストランで、ミシュランの3星のレストラン。

板倉氏:1895年創業のスパがあるのだが、そのなかにリロンデルというレストランがある。昨年シェフが替わられて、南仏とかモナコとかの魚介とか野菜を使いながら、1コース500キロカロリーに抑えた美食。

司会:モナコの紹介したレストラン、訪れたいレストランを教えてほしい。

中村氏:2004年にできたジョエル・ロブション・モンテカルロは、内装が素晴らしい。また日本人のシェフがやっているモシモシ。フェアモントの中にあって360度の眺望があるホライゾン。ホライゾンは地中海、モナコ、フランス、イタリアが見渡せる。また、地元モナコ料理が食べられるというカステルロックにも注目している。

板倉氏:昨年できたばかりのエクヴィータ、食事と魂が通じるというテーマでカジュアルに味わえる。またモンテカルロ・ビーチ・ホテルの中にあるエルザにも注目している。イタリア人シェフが腕を振るっており、内装も非常に素敵だ。

司会:モナコでのスパの感想を教えてほしい

板倉氏:ヨーロッパとアジアではスパのあり方が違うが、欧州では日光浴の後にスパという形。テルム・マラン・モンテカルロではそうしたスパが楽しめる。また、クライドセラピーという温度の違う冷凍室の部屋に交互に入るセラピーは、時差ぼけ解消になるとセレブの間で話題。

司会:それぞれ好きなホテルを教えてほしい。

中村氏:オテル・エルミタージュ・モンテカルロ。クラシックで文化が凝縮している、278室。小さいホテルならではの手が行き届いたサービス。日本人ゲストリレーションもある。

板倉氏:同じく一番のお気に入りはオテル・エルミタージュ・モンテカルロ。二十歳の時のモナコに行きたかったのは、ここに泊まりたかったから。ホテルのロビーがエッフェルの設計で好き。こじんまりしていて、部屋からの海のビューが素敵だ。

中村氏:フェアモント・モンテカルロも素晴らしい。F1のヘアピンコーナーのところにあり、海に突き出している。スパが男性用のスパメニューが多い。男性には結構ぴたっとフィットするのではないか。ノブ・モンテカルロなどの入っているレストランもよい。

板倉氏:ホテル・メトロポール・モンテカルロも、こじんまりしていてよい。デザイナープールがあるほか、ジバンシーのスパができて、話題を呼んでいる。女性にはいいのではないだろうか。

司会:モナコで気になる場所を教えてほしい。

中村氏:パリのオペラ座と同じ設計者によるモナコのオペラ座。モナコが席数が500席でパリに比べて凝縮されている。年中なにかコンサートやっている。先日新国立でオペラをやっていたが、モナコのオペラ座の芸術監督が日本で演出を務めていた。11月19日に再上演が決まっている。本当に素晴らしかったので、ぜひ行ってみたい。

 そのほかにはカジノ・ド・モンテカルロ。シンガポールやマカオなどのアジアのカジノも行くけど、モナコのそれはオシャレな雰囲気でゲームをする環境が整っている。

板倉氏:賭けなくても雰囲気だけでも楽しめる。

中村氏:海洋学者だったアルベール1世が作った海洋博物館も行ってみたい。水族館も地下にもある。船舶の模型や海洋装備品などが展示されている。

板倉氏:大公宮殿は外せない。毎日お昼ぐらいに衛兵交代式があり。白い旗が立ってると、大公がいることを意味している。また、マーケットも外せない、新鮮な野菜などが揃っている。またそこから海沿いを散歩したり、クルマがあればちょっとドライブしてモナコの夜景を楽しむのもいいと思う。

司会:ほかにお勧めの観光はあるか?

中村氏:ニース空港とモナコ間のヘリサービス。これを利用すると空港からホテルまですぐだし、夕焼け時には非常に美しい空を楽しむことができる。150ユーロ前後(約1万8000円、1ユーロ=約120円換算)と比較的安価だそうなので、ぜひ楽しんでほしい。

司会:それぞれのお勧めの旅行スタイルを教えてほしい。

中村氏:モダンとクラシックが共存しているのがモナコで、モナコ全体が旅の舞台装置であって、世界観を旅することができる。タキシード着て、タクシーに乗ってドンペリを注文するという非日常が体験できる。

板倉氏:クルマとかを利用して、南仏やイタリアなども含めて旅行すると楽しいと思う。フランスのエレガンスと、イタリアのおおらかさが融合しているところ、自然体で女性が洗練されている方がいるので刺激を受ける。

司会:旅をするにあたって一番の醍醐味はなにか。

中村氏:旅に行くと、荷物を少なく身軽にというけど、そうではないと思う。例えば、日本だとファッションを楽しむ環境にないが、旅はファッションやジュエリーなどを楽しむというのが醍醐味。

板倉氏:自分にとって旅の目的は心身の浄化だったり、エナジーチャージ。そんなときにはスパが有効。日常生活を抱えたまま旅をしても新しいことを受け入れられないが、スパにいって浄化してから行くとよりよくできる。記憶や体験というのが人生においては豊かにしてくれる財産である。

トラベル Watch,笠原一輝

最終更新:4/24(月) 14:22

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