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セガサミー、韓国初のIR開業 解禁間近の国内6兆円市場にらみ“前哨戦”

SankeiBiz 4/21(金) 7:19配信

 セガサミーホールディングス(HD)と韓国パラダイスグループが共同開発した韓国初の統合型リゾート施設(IR)「パラダイスシティ」が20日、同国の仁川広域市内にオープンし、開業式典が開かれた。セガサミーHDは収益性の高いIRを含むリゾート事業を収益の柱の一つに育てていく考えで、韓国で運営ノウハウを積み上げていく。

 セガサミーHDが韓国で統合型リゾート施設(IR)を手がけたのは、IR解禁を間近に控えた日本国内での開発をにらんだ“前哨戦”との側面がある。年間約6兆円ともされる日本のIR市場をめぐってはラスベガスやマカオで実績ある海外の運営会社も熱視線を送っており、今後のつばぜり合いが加速しそうだ。

 「まれに見る上質なエンターテインメント空間で、自信を持って誇れる施設に仕上がった」。セガサミーHDの里見治会長兼最高経営責任者(CEO)は開業セレモニーで、1200億円超を投じたIRの出来栄えに胸を張った。

 視線の先にあるのは、2020年の東京五輪・パラリンピック後に待つ日本でのIR解禁だ。昨年12月にIR推進法が成立。今秋の臨時国会にもIR区域の認定制度やカジノを監督する管理委員会などのルールを盛り込んだIR実施法案が提出される見通しで、早ければ22年には日本初のIRが誕生する。

 経団連の試算によると、日本国内のIR1カ所当たりの需要創出効果は年間約5800億円で、世界の開発業者にも垂涎(すいぜん)の市場だ。

 米MGMリゾーツ・インターナショナルは100億ドル(約1兆900億円)の投資を表明。マカオのメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼CEOも「予算的な制約を設けずに投資したい」と意欲を示す。

 国内勢もエイチ・アイ・エスが傘下のリゾート施設「ハウステンボス」での開発を視野に入れる。最大で全国10カ所とされるIRの事業者選定は熾烈な受注競争も予想され、セガサミーHDはこれまで17カ所にカジノがある激戦区で経験値を積み、百戦錬磨のライバルに対抗する構えだ。

 課題はいまだ輪郭が定まらない「日本型IR」への対応だ。カジノを含むIRはギャンブル依存症などを懸念する声が根強く、安倍晋三首相は「家族連れで楽しめる」「全国各地を訪問できる」といった諸外国では例のないIRを目指しているが、1カ所に長期滞在させて収益を上げるという従来のビジネスモデルが生かせない可能性もある。

 セガサミーHDは今後、最大100人程度のスタッフを韓国に派遣し、パラダイスシティをIRにおける日本流サービスのパイロットファームに位置づける。里見会長兼CEOは「カジノで完全に不正がないシステムを独自開発中」としており、IRに対する懸念払拭に向けた旗振り役も担っていく。(仁川 佐久間修志)

最終更新:4/21(金) 7:19

SankeiBiz