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「残業規制より労働環境の情報公開の義務化を」労働法・毛塚教授が働き方改革に苦言

4/21(金) 10:19配信

弁護士ドットコム

市民を対象にした労働問題についての勉強会(日弁連主催)が4月20日、衆議院第一議員会館であり、法政大学大学院の毛塚勝利客員教授(労働法)が「罰則付きの(残業時間の)上限規制では、働き方は変わらない」と、2019年4月から導入予定の新制度に疑問を呈した。

現状の労働基準法でも、労使で結んだ36協定の上限を超えるなどすれば、違法な長時間労働をさせたとして、企業は処罰の対象になる。しかし、「罰則はあるのに長時間労働は変わっていない」(毛塚教授)

また、効果範囲も狭いという。みずほ情報総研の調査(2016年)によると、36協定で決めた残業の上限時間は「60時間~80時間」が40.4%で最多。2019年から罰則の対象になる「100時間超」は10%程度しかない。

「法律で整備するなら、むしろ企業の情報公開を義務化した方がいい。市民がモニタリングできるよう、有給の取得率や平均残業時間、法令違反などを分かるようにする。今の時代、『ブラック』と指摘されれば、企業は改めざるを得ない」

毛塚教授はまた、生活残業や仕事好きなど、労働者が残業を望んでいる一面もあると指摘。「残業で生活時間を削ることは、家庭(家事や育児、介護など)や社会活動(地域行事やボランティアなど)をネグレクトしているという側面を持つ。誰かにしわ寄せがいっているということだ」として、労働時間の規制というよりも、生活時間の確保という意識に変えていく必要があると話していた。

弁護士ドットコムニュース編集部