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もやし 「安売り歯止め」消費者も支持 スーパー やっと交渉の場に

4/21(金) 7:00配信

日本農業新聞

 もやし生産者が、スーパーとの値上げ交渉に動きだした。安売り商材として卸値が抑えられる中、原料となる中国産緑豆の価格高騰を受け採算が悪化。工業組合もやし生産者協会は3月、窮状を訴える文書を発表した。この実態を報道で知った消費者から「値上げ支持」の声が沸騰。こうした声に後押しされ、行き過ぎた安売りの停止や適正な取引価格をスーパーに求める動きが広がっている。

適正価格へ「好感触」生産者協会

 協会が窮状を訴える文書を発表したのは3月上旬。17日、日本農業新聞の記事がインターネットで掲載されると各社も相次いで報道し、瞬く間に広がった。

 協会が受けた取材はテレビ、雑誌、新聞、ネットなど40件以上。安売りの裏側にある生産者の窮状が報じられると、応援の電話やメールが多数届いた。「ここまで反響があるとは」と協会の林正二理事長は驚く。

窮状に共感

 話題沸騰を受け、全国の生産者が価格交渉に乗り出した。4月17日に東京都内で開かれた協会の理事会では「今、値上げできなければ次はない」との思いを確認。九州、関西の生産者は「地元スーパーから『大丈夫?』と聞かれた」と報告。北海道の生産者は「最大手以外は応じてくれそう。6月にも改正されるかもしれない」と好感触だ。

 協会は2年前、スーパー各社への働き掛けを通じて納品価格で若干の値上げを実現。しかし納品価格が上がっても安売りは止まらず、根本的な課題解消につながらなかった苦い経験がある。今回は「消費者への販売価格を見直してほしい」との強い思いがある。

 協会によると、もやしの平均小売価格は1袋当たり約30円(総務省家計調査)で、40年前と同水準にとどまる。この価格でさえも原料高騰で経営が厳しい中、スーパーによっては20円を切る販売も目立つ。もやしなどを生産する旭物産(水戸市)の社長を務める林理事長は「生産者もスーパーも利益が取れない。(原価割れの)異常さを消費者に知ってほしい」と訴える。

 スーパー側は他店との安売り競争の中で、大手を中心に「自店だけ値上げできない」との事情もあるようだ。協会は「全国規模の大手スーパーは、地方だけで値決めできないとして交渉に応じない」と話す。

 中京地区では納品する生産者を入札で決める業者もあるという。林理事長は「バイヤーは理解してくれても、会社としての判断は別のところにある」と指摘する。

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最終更新:4/21(金) 7:00
日本農業新聞

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