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変わりゆく埋葬のスタイル 嶺公園に「樹林墓地」 前橋市が整備を検討

上毛新聞 4/21(金) 6:01配信

 前橋市が管理する嶺公園墓地(同市嶺町)を巡り、市が園内で樹木を墓標に多数の遺骨を合葬する「樹林墓地」の整備を検討していることが20日、分かった。市が本年度まとめる整備計画で、こうした考え方を盛り込む方向だ。家単位での従来型墓地の考え方にとらわれず、遺族の墓守を必要としない共同墓地の需要が増えていることが背景にあり、市によると、実現すれば群馬県内の公営墓地で初のケース。園内用地の有効利用にもつながり、市は前向きに検討を進める。

■アンケート

 樹林墓地は、多数の遺骨を合葬する共同墓地の形態として近年、人気が高まりつつあり、公営墓地では都営の小平霊園(東京都東村山市)が先進的に整備を進めている。

 前橋市が20日の市議会建設水道常任委員会で明らかにした市内3000世帯を対象にしたアンケート(回収率33.2%)では、墓の取得を「希望する」と答えた世帯のうち、希望する形として樹林墓地を選んだ世帯が8.6%あった。納骨堂や慰霊碑型も含めると、18.5%が共同墓地を希望した。

 嶺公園墓地は1980年度に分譲が始まり、現在1万基近い墓がある。従来型墓地として約800基分の用地が残っているが、2023年度ごろに全て分譲される見通しだ。

■異なる運用構想

 市は園内のこの用地とは別のエリアで、20年度ごろには樹林墓地を整備したい考えで、生前の申請やあらかじめ永代管理料を支払うことで、遺族らが墓を管理したり、毎年の管理料を納めなくても済むようにするなど、従来型墓地とは異なる運用にすることを構想している。

 市公園緑地課は「墓への考え方が多様化し、遺族が墓を継承しないケースもある。公営の墓地でも、新しいタイプの墓を導入できるか検討したい」としている。

◎葬送の形、意識が変化

 「墓守をする親族がいない」「墓にお金をかけたくない」―。核家族化や価値観の多様化で、墓を取り巻く環境は近年大きく変化し、民間業者は樹林墓地をはじめ、さまざまな葬送の形を提案している。

 前橋市では昨年、遺骨を微細な粉状にして山林に放す「自然葬」をする散骨場が整備された。遺骨の粉末を風船に入れ、成層圏まで飛ばす「バルーン宇宙葬」を行っている県外業者もある。

 同市の散骨場を経営する塩野入純也さん(56)は「菩提(ぼだい)寺との関わりが薄れる世帯が増え、先祖代々の墓を守るという考え方が変わりつつある」と指摘。自然を生かした埋葬法が今後増えると予想する。

最終更新:4/21(金) 6:01

上毛新聞