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音楽ソフトとしても聴きたくなる!『宇宙戦艦ヤマト2202』・2

4/21(金) 12:30配信

Stereo Sound ONLINE

オーディオビジュアル方面で活躍する、アニメが大好きなライター鳥居一豊さんがお届けする、Stereo Sound ONLINEの新連載「アニメノヲト」。ここでは『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章 嚆矢篇』その2をお届けする。(Stereo Sound ONLINE編集部)



【今回のヲトアニメ】
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章 嚆矢篇』
BD-ROM
(バンダイビジュアル BCXA-1204)
7800円(税別)※通常BD版
●2017年日本
●本編50分
●カラー(16:9)
●リニアPCM(ステレオ)

期待を上回る出来は拍手喝采。早くサントラが欲しい!

 作品は、オールドファンならば聴き慣れたあのフレーズでスタート。しかし、ちょっと様子が違う。その語りをしているのは、本作で敵対する帝星ガトランティスのズォーダー大帝なのだ。それと気付くあたりで(CH.1/0分49秒)。ガトランティスのテーマ曲が鳴る。生の新録と思われるパイプオルガンの響きが荘厳でしかも不気味な敵の存在も暗示している。これを聴いただけで、「ああ、やっぱりヤマトって良い音で聴きたいアニメだなぁ」と思ってしまう。音声はリニアPCMのステレオなのだが、教会の高さのある空間を感じさせる音の響きが含まれ、豊かなステレオ音場が展開する。

 この後の地球・ガミラス連合軍とガトランティス軍の戦闘も見物だし、地球連邦航宙艦隊の旗艦として登場するアンドロメダの拡散波動砲も迫力満点だ。これらの艦隊戦は映像的な迫力も見事だし、砲撃や爆発の音もなかなかのもの。古代進艦長が乗船する戦艦ゆうなぎのアクションはスピード感たっぷりで、敗色濃厚となったガトランティスの大戦艦が地球へと特攻するのを防ぐ場面の緊迫感も手に汗握る。こうしたバトルの迫力は最新のアニメとしても屈指の出来で、かつてのヤマトを知らない若い人でも存分に楽しめるはず。

 そして、一番の注目が(CH.6/31分08秒)の古代進と森雪のデートシーン。ここでの会話は現在の2人の関係(結婚している)がよくわかるが、誰もいない荒野を走る車の中で森雪が叫ぶセリフの芝居が見事。古代に対するいろいろな思いが詰まった声がぐっとくる。ぜひとも自分の耳でも聴いてほしい。

 この後、沖田艦長の慰霊碑にヤマト乗組員が集合する名場面となる(CH.6/33分26秒)。佐渡酒蔵の号令で一同が敬礼する場面での音楽の入り方はオリジナルを踏襲。鮮やかに感動が蘇るはず。

 本作では前作で滅亡の危機を逃れた地球が3年間で奇跡的な復興を遂げた様子と、現在のヤマト乗組員の現況、同盟を結んではいるが緊張をはらんでいる地球とガミラスの関係などが描かれる。ヤマトはほとんど登場しないが、物語の密度は極めて高く、見どころと聴きどころが満載だ。これから始まる新しいヤマトの旅に心が躍るし、期待以上の出来は拍手喝采だ。僕の素直な感想は「早くサントラ盤が出て欲しい」というもの。薄型テレビの内蔵スピーカーと言わず、少しでも良質なステレオ装置を組み合わせて楽しむと、満足感が倍増するはずだ。

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最終更新:4/21(金) 16:07
Stereo Sound ONLINE