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TPP 米国抜きで 来月に閣僚会合 副総理

4/21(金) 7:01配信

日本農業新聞

 麻生太郎副総理兼財務相は19日、ニューヨークで講演し、米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)について、米国以外の11カ国で発効を目指す意向を明らかにし、5月後半に開かれるTPP閣僚会合で協議が本格化するとの見通しを示した。米国抜きTPPは、旗振り役のオーストラリアなどとの間で方向性が一致し、日本も明確にかじを切った。米国が意欲を示す日米2国間の自由貿易協定(FTA)を、けん制する材料にもしたい考えだ。麻生氏は会見でも、日米FTAに慎重な姿勢を示した。

 TPP閣僚会合は、5月20、21日にベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせて開かれる。麻生氏は「どういう形でまとまるか分からないが、米国なしで11カ国だけでやろうという話が出る」との見通しを示した。

 菅義偉官房長官も20日の会見で同様の認識を示し、「あらゆる選択肢を排除せず、何がベストであるのか主導的に議論を進めていくのがわが国の立場」と説明。11カ国での発効も選択肢の一つとの見方を示した。

 政府は当初、「米国抜きのTPPは意味がない」(安倍晋三首相)として、12カ国での発効を目指していた。18日の日米経済対話でも、麻生氏はアジア太平洋地域の貿易ルール作りを日米が主導する意義を強調したが、米国のペンス副大統領は「TPPは米国にとって過去のものだ」と明言。翻意を促すのは、当面は無理と判断したとみられる。

 米国側は2国間貿易交渉に軸足を移し、ペンス氏は日米FTAの可能性に意欲を示している。日米経済対話が進展すれば、圧力が強まる可能性が高い。日米FTAではTPP以上の自由化を迫られる恐れがあり、日本は回避したい考えだ。

 日本は、米国抜きTPPを先行させる方針を明確にした。麻生氏は日米FTAについて、「12カ国の場合、米国に譲歩した代わりに他の国から得られるものがある。2国間ではTPPのようにはいかない」と米国をけん制。TPPが米国にも有利なことを示し、将来的な復帰を待つ構えだ。

 ただ、米国抜きのTPPを巡って11カ国の考え方は一致していない。米国が抜ければ利害バランスが崩れ、協定全体の見直し議論にも波及しかねない。日本では再度、国会承認が必要になる。

日本農業新聞

最終更新:4/21(金) 7:01
日本農業新聞