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「東芝メモリ」入札、拙速な売却を避けるべき理由

ニュースイッチ 4/21(金) 10:45配信

米WDは敵か味方か。政投銀と協調で入札も

 米ウエスタンデジタル(WD)は、東芝が売却手続きを進めているメモリー事業の入札に関連し、官民ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行と協議していることを明らかにした。

株主総会まで売却先は決まらない?

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却先を決める入札に停滞感が漂ってきた。同事業で提携するWDは売却を契約違反と主張するが、現時点では東芝から入札企業側に対する明確な説明はなく、関係者からは「WD問題が深刻化する可能性も意識している。次のアクションが取れない」と不満の声も出る。東芝は6月下旬に開催予定の定時株主総会までに売却先を決めたい考えだが、間に合わない懸念が出てきた。

 WDは東芝メモリの売却を契約違反とし、東芝に独占交渉権を要求している。東芝はこの主張に対し、WDとのメモリービジネスとの契約は複雑で単純明快な結論を出すのは難しいという認識だ。同社関係者らは「WDとは見解の相違だ」との立場を崩さない。

 東芝は5月から2次入札の手続きを本格化し、19日に入札を締め切る計画だが、後ろ倒しになる可能性が出てきた。仮にそうなると6月下旬の株主総会までに売却先を決め、各国の独占禁止法などの審査を経て、2018年3月期末までに売却手続きを完了するというシナリオも崩れかねない。

 東芝は17年3月期に6200億円の債務超過に陥る見込み。東芝メモリの18年3月期末までの売却に失敗し、資金調達できず2年連続の債務超過となれば上場廃止になる。

 東芝は近くWDの主張への反論を書面で提出する見通し。落としどころを見つけられなければ、東芝の再建計画は根本から揺らぐことになる。

<専門家の見方>
 WDとの合弁契約は会社分割後も有効なはずだが、その契約を引き継いだ半導体子会社の株式を譲渡するのはWDの承諾が必要だろう。そうすると売り手はWDを中心に考える必要があり、高値売却は容易ではない。

 そもそも半導体子会社を売却しなければならない主な理由は、(1)2期連続債務超過を防ぎ、上場を維持、(2)銀行の債務者区分下落の防止、の2つだが、そもそも今のような内部統制のまま上場維持するよりは、一旦上場廃止を受け入れ、銀行は半導体子会社の企業価値を担保に支援を続け、然る後にスポンサーを探し、本体は再上場、半導体子会社はIPOするのが王道ではないか。拙速な売却は避けるべきだ。
(ニューホライズンキャピタル会長兼社長・安東泰志氏)

最終更新:4/21(金) 10:45

ニュースイッチ