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自由律俳人・住宅顕信を映画に 本田監督、クラウドで出資募る

山陽新聞デジタル 4/21(金) 23:02配信

 岡山市出身の自由律俳人・住宅顕信(1961~87年、本名春美)の生涯を、赤磐市出身の映像作家・本田孝義監督(48)=東京=が初めて映画化する。タイトルは顕信の句でもある「ずぶぬれて犬ころ」。資金の一部を調達しようと、インターネット上で賛同者から出資を募る「クラウドファンディング」を行っている。

 <気の抜けたサイダーが僕の人生><若さとはこんなに淋しい春なのか>など分かりやすく、強く、読者の心をつかむ281句を残した顕信。急性骨髄性白血病で25歳で亡くなるまでに出家、結婚、離婚、引き取った長男を病床で育てる―など、その人生は波乱に満ちあふれていた。死後に出版された句集「未完成」は、尾崎放哉や種田山頭火と比べられるほどの評価を得た。

 「3年ほど前、仕事に行き詰まったときにふと顕信の句<ずぶぬれて犬ころ>が浮かんだ。句を読み直し、生涯を調べる中で映画にしたいという気持ちが湧いた」と話す本田監督。自身が育った山陽団地(赤磐市)の歩みを撮影した「ニュータウン物語」(2003年)などのドキュメンタリー作品を発表してきたが「故人を描く場合、周辺の証言など撮影できることが限られてしまう」ため、今作は劇映画の手法で挑む。

 山陽新聞朝刊で03年に73回連載された記事をまとめた「生きいそぎの俳人 住宅顕信」(横田賢一著、七つ森書館刊)を原作に、脚本は完成。中学校でいじめを受ける男子生徒を見つけた教頭が、かつての教え子住宅春美について語り始める。生徒は、教頭から顕信の句集「未完成」を借り、顕信の句の世界にのめり込んでいく―というストーリーだ。

 製作費800万円のうち250万円を、クラウドファンディングサイト「Motion Gallery(モーションギャラリー)」で募っている。銀行振り込みなどでも受け付ける。

 6月に出演者のオーディションを行い、9月から撮影を開始する予定。来年2月の完成を目指す。本田監督は「しんどさをストレートに表現する顕信の句に救われるときがある。その魅力を多くの人に知ってほしい」と呼び掛けている。

最終更新:4/21(金) 23:02

山陽新聞デジタル