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<マンション火災>子だけ留守危険…母ら「同じ立場なら責められぬ」

埼玉新聞 4/21(金) 22:53配信

 埼玉県さいたま市南区沼影の8階建てマンション1階の大和田歩さん(31)方で19日夜に起きた火災。留守番中だった0~5歳の子どもが重傷を負い病院に搬送されたが、長女結愛ちゃん(4)の死亡が確認された。県警と消防は20日、実況見分を行い、出火当時の状況や原因を調べている。

 「どこか頼れるところがあれば」「同じ立場だったら追い詰められてしまう」―。さいたま市南区の飲食店アルバイト女性方で起きた火災を受け、母親らは子育て中の苦労を重ね合わせ、「こんな悲惨なことは二度とあってほしくない」と口をそろえた。

 火災発生時、女性は仕事で外出中だったとみられ、部屋には子ども3人だけだった。同じマンションに住む30代主婦は「小さい子だけを置いて家を出るのは危険」。別の30代女性も「子育てと仕事の両立は大変だが、子どもだけにしてはいけない」と率直な思いを語る。

 一方で幼い子ども3人を育てながら働きに出ていた女性の立場を推し量る母親も多い。住民によると、女性が引っ越してきたのは約1年前で、近所付き合いはほとんどなかったという。

 育休中の会社員女性(28)は「子どもを置いてまで働かざるを得なかった状況だったのだと思う。お母さんだけを責めることはできない。私もマンションに住んでいるが、気軽に手を借りられる人はいない。同じ立場だったらしんどい」と重ねた。娘の代わりに孫(1)の面倒を見ているという60代女性は「母子家庭でなくても、子育てしながら家を持とうと思ったら夫婦だけの収入では難しい」と話した。

 同区の保健センターによると、女性は長男が生まれてから、乳幼児健診などの際に、子どもの発育や育児について定期的に相談していた。

 4歳と3歳の子どもを育てる主婦(37)は「行政が頼みの綱だったのでは」と指摘する。乳幼児期の子どもについて「特に大変な時期で、母1人で抱え込めば追い詰められてしまう」とした上で「声を出さないと行政から何か支援を働き掛けてくれることは少ない。母同士のつながりや近所付き合いがあれば、どこかに頼ることができたはずで、こんなことにならなかったと思う。二度と起きてほしくない」と話した。

最終更新:4/22(土) 1:05

埼玉新聞