ここから本文です

【沖縄タイムス・田嶋正雄の映画コレ見た?】「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」長編傑作、25年ぶり上映に時を忘れる

4/21(金) 17:20配信

沖縄タイムス

 台湾の故エドワード・ヤン監督による4時間の長編。映画史に残るといわれながら、DVD化されなかった傑作が25年ぶりに上映される。奥行きある画面やテーマの普遍性に心を奪われ、時を忘れる。

 1961年の台北で少年が少女を刺殺した実際の事件を基にそこに至るまでの積み重ねを丁寧に描き出す群像劇。小さな挿話の一つ一つから社会の矛盾や時代背景という大きな物語が浮かび上がる。少年少女らのたたずまいや切迫感は演技がうまいとか自然だとかの領域を超え、映画の中を「生きている」と思わせる。

 子どもが子どもでいられる時間はあまりに短い。「世界を変えられる」と信じ、巨大な何かに立ち向かう少年は、守ろうと誓った「きみ」が「世界」そのものだという残酷な事実を知らない。少年の真っすぐな青さと少女のリアリズム、どちらも痛々しくて切ない。(写真部・田嶋正雄)

◇桜坂で24日から上映予定

最終更新:4/21(金) 17:20
沖縄タイムス