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三井住友TH:日興AMの上場見送り、グループ内で運用部門再編も

Bloomberg 4/21(金) 0:00配信

三井住友トラスト・ホールディングスは、資産運用子会社の日興アセットマネジメント(AM)の上場計画を凍結する方針だ。日興AMを含めたグループ内の運用部門の統合を検討するなど、これから拡大が期待される個人向け(リテール)資産運用事業を強化する。

1日付で三井住友信託銀行の社長に就任した橋本勝氏がブルームバーグとのインタビューで、日興AMについて「上場でキャピタルゲインを得るより、特色を生かしてグループの運用力を強化する」と述べた。延期している日興AMの上場については、その可能性は低く「具体的な計画はない」と言明した。

日興AMは東京証券取引所から上場承認を受け、2011年12月に新規株式公開 (IPO)する予定だったが、欧州債務危機などで市場環境が悪化したため延期した。その後、同信託銀の常陰均前社長が上場には日興AMの最終利益100億円規模の確保を条件に挙げていた。日興AMの16年3月期の純利益は約50億円だった。株主通知によると同社は日興AM株式の約90%を保有している。

橋本社長は、グループの運用力強化に銀行本体の運用部門と運用子会社2社(三井住友トラストAMと日興AM)の「統合を検討していきたい」と述べた。少子高齢化で年金運用の受託額減少などが見込まれる中、スケールメリットに加えて機関投資家向けの運用ノウハウをリテール分野に活用していく狙いがあるという。ただ、統合は決定したわけではなく、日興AMは「今後も併走していくこともある」という。

世界規模は100兆円

資産運用部門の統合について橋本社長は、グローバルベースで競争していくには運用資産残高で「100兆円が一つの基準になる」と述べた。統合を検討する3社の運用残高は約80兆円で、拡大には「インオーガニック」での成長を一つの手段として挙げた。その際、買収戦略は「国内外で幅広く検討していく」との方針を示した。

橋本社長は、国内では家計の金融資産1800兆円のうち利息がゼロに近い預貯金が約940兆円あることから資産運用部門の「成長のポテンシャルは高い」とみている。今後は、フィービジネスに注力して収益の安定性を高めていく考えで、5年後には業務粗利益に占める手数料収益の割合を現在の53%から「60%の水準」に高めていく考えだ。

Shingo Kawamoto, Gareth Allan

最終更新:4/21(金) 0:00

Bloomberg