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恩返しロックで銭湯に別れ/昨年廃業、八戸であすライブ

Web東奥 4/21(金) 11:27配信

 昨年の大みそかに70年近い営業に終止符を打ち、近く取り壊される青森県八戸市湊町の銭湯「松竹湯」に、にぎやかに別れを告げたい。同市の男性が知人らに呼び掛け、22日にライブイベント「風呂ロック」をこの銭湯で挙行する。浴場をステージとホール、脱衣所をラウンジとし、音楽を聴くも良し、一杯飲みながら松竹湯を懐かしむも良し。男性らスタッフは住民を長年癒やしてきた「湊の風呂屋」に恩返しするつもりでいる。
 企画したのは、県内各地でフリーマーケットを運営する同市の安藤誠さん(47)。松竹湯が気に入って10年ほど前から通うようになり、経営者の関川千秋さんともなじみになった。
 昨年12月下旬。のれんをくぐると、大みそかで営業を終えるとの張り紙が。関川さんのけが、入浴客の減少などが理由だった。「ショックの一方、やはり…とも思った」と安藤さん。営業最終日は廃業を知った多くの客が詰めかけ「最盛期並みの混雑ぶり」(安藤さん)だった。安藤さんも湯に漬かりながら、松竹湯のためにできることはないかと思いを巡らせた。
 地域の祭りの日など期間限定で営業する手段も模索したが、風呂釜の整備が困難などの理由で断念。土地と建物を購入した新所有者が春に取り壊す予定とも聞いた。もう、本当にさよならするしかない。安藤さんは自分が主催する夏のイベント「七夕ライブ」で演奏するミュージシャンら市内のアーティストに声を掛け、松竹湯でパフォーマンスしてもらおうと決めた。
 今月上旬、安藤さんの発案を新所有者は快く了承、中旬の取り壊しも先延ばししてくれた。それでもリミットまでわずか数週間。「やれることは精いっぱいやる」と決めた安藤さんに、関川さんは松竹湯ののれんを譲り、励ましてくれた。
 22日はミュージシャンやDJ、ミュージカル劇団などが、浴場最奥の水風呂付近をステージにパフォーマンスを披露する。もちろんお湯は張らず、来客は浴槽や洗い場など好きな場所で楽しめる。「銭湯が実家の友人から、腰掛けてもらうための湯おけや風呂椅子も借りた」と安藤さん。ラウンジとする脱衣所ではアルコールやつまみのほか、銭湯につきもののアイスキャンデーも販売する予定だ。
 午後3時開演で、演奏は同5時ごろ、ラウンジタイムは同8時ごろまで。「入浴料」(入場料)は、たこ焼き3個付きで500円。問い合わせは安藤さん(電話080-3149-5629)へ。

東奥日報社

最終更新:4/21(金) 11:27

Web東奥