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「合弁先は他と違う」米WDが伝家の宝刀、東芝メモリ買収で巻き返し

Bloomberg 4/21(金) 10:12配信

東芝が売却手続きを進めているメモリー事業の争奪戦が激しさを増す中、同社の合弁相手である米半導体ウエスタンデジタル(WD)の存在感がにわかに増してきた。

WDのマーク・ロング最高財務責任者(CFO)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、東芝が売却手続きを進めているメモリー事業の入札に関連し、官民ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行と協議していることを明らかにした。

WDは現在東芝と半導体事業を合弁で運営しているが、東芝は米原発事業の巨額損失で生じた債務超過を解消するため、今期中の完了を目指し「東芝メモリ」売却に動いている。WDはすでに売却は契約違反だとする書簡を東芝に送っているが、ロングCFOは20日夕都内で行ったインタビューで、東芝はまずWDと協議すべきだと主張した。

その上でロングCFOは、WDは売却手続きに関係する「ほぼ全ての人たちと話し合ってきた」と述べた。日本政府とも協議しているという。産革機構などのほか、米アップルとも共同出資の可能性について協議しているとみられる。

金額かそれ以外か

WDは昨年、158億ドル(約1兆7000億円)で米サンディスクを買収し東芝とフラッシュメモリー事業でパートナーとなった。しかし、東芝がメモリー事業の売却を決めたことで、事態を憂慮している。関係者によると、これまでの入札では台湾の鴻海精密工業や韓国半導体大手SKハイニックス、米ブロードコムがWDより高い買収額を提示している。

ロングCFOは「われわれの考えは違う。第一の前提は、合弁事業が競争力を維持できることだ」と指摘。「われわれには他社よりたくさんの解決策がある。それはある一つの数字より、もっと複雑だ」と語った。

複数の関係者によると、法的拘束力を持たない現時点での応札額は、最大3兆円を支払う意向を示唆する鴻海を含め2兆円超。今回の売却では、規模の大きさから資金的な支えになるパートナー探しが必要となっているほか、技術流出などを懸念する政府の納得を得やすくするため、日本企業などの参加も鍵となる。

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最終更新:4/21(金) 10:12

Bloomberg