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高橋優 札幌での弾き語り時代の曲「BLUE」の成仏のさせ方/インタビュー2

4/22(土) 22:15配信

エキサイトミュージック

 
■高橋優/New Single『ロードムービー』インタビュー(2/4)



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ここで来たかって、札幌の路上で聴いてくれていた二人ぐらいの人が、ビックリしてくれるかもしれない(笑)

――人生を賭けた旅というのがロードムービーだったりするじゃないですか。本も出したし、年齢的にも人生を見つめ直す世代だったりすると思うんです。

高橋:ああ、そうですね、30過ぎてね。

――「ロードムービー」を書いて、自分の人生、どうなっていくのが理想だと思ってますか?

高橋:昨年の33歳の誕生日に『Mr.Complex Man』なんてタイトルの本を出したのは、すごく意味のあることだと思っていて。今も日々、悔しいんですよ。見返してやるぞとか、今に見てろよって気持ちは、何も消えてくれない、今も。何かを成し遂げた気持ちみたいなものは全然生まれない。これはネガティヴな要素だと思いつつ、しいてポジティヴに捉えるなら、その思いがあるうちは僕は歌うことやめないと思うんですね。何があっても死に物狂いで歌うと思う。そして今に見てろよって気持ちで、何かを成し遂げようとすると思うんです。今、僕が思う大事なことは、どんなに状況が変わろうとも歌い続けること。何も成し遂げなくても歌い続けていれば、続けたってこともひとつの足跡になるじゃないですか。今でも、歌うな、あなたの歌を聴きたい人はいません、と言われた記憶のほうが鮮明に残っているし。あの本の中にもありますけど、あなたの代わりはいっぱいいるからって、今でも言われてるような気がしてしょうがない。でも歌い続けることで変わっていくこともあるなって、ちょっとずつ今は実感できている部分もある。それこそね、僕のくだらない人生の33年間分を聞いてくれる人がいたりとか(笑)。それを文章にして本にしようって人も現われてくれるわけですから。それだって価値のあることだと思っていて。その価値のひとつひとつを僕は嬉しいなって手応えとしても感じつつ、その一方で、まだまだ理解されてない部分もあるし、分かってほしいメッセージもある。思いは尽きない。それは自分の人生を賭けてやっていくべきものだなって。

――その思いをぶつける対象物が歌?

高橋:でもあります。もちろん音楽は大好きだし、みんなで笑顔でありたいってメッセージもありますよ。怒りだけじゃなくてね。だからといって次のアルバムが、全曲、“幸せ!”みたいな曲だったら、そんなアルバムはなくたっていい気がするんですよ(笑)。僕の場合、全曲が幸せみたいな見事なアルバムを作れる自信が今はないし。どうして分かり合えないんだろうとか、分かり合わないほうが楽なんだろうとか、次から次へと、人間たる所以に対する思いも出てくるんです。喜びも悲しみも、要するに喜怒哀楽ですよね。

――今回のシングルにカップリングのひとつで「BLUE」が入ってますよね。札幌の路上での弾き語り時代の曲が、『ロードムービー』という作品に収録されたことにも、すごく意味があると感じたんです。

高橋:それは初期から聴いてくださっている方ならではだと思います。実は、ずっと「BLUE」の落としどころを、デビュー当時から探していたんです。元を正せば、この曲は僕のめちゃくちゃ暗い時代の自主制作盤に入ってたじゃないですか。全編、弾き語りで。一部からは再音源化しないんですかって声があることも認知しつつ、「BLUE」という楽曲に対する評価も制作チーム内にはあって。いつかシングルか何かの形で出そうって話は、これまで何度もあったんです。バンド・アレンジにしたけど、う~んとなって終わることも何度かあって。う~んとなっているなら歌詞を変えようかとか、実はいろんな試行錯誤もなされていたんです、この7年間ぐらい。で、今回の「ロードムービー」を作るとき、まさしく今じゃないのかって話が挙がったんですね。今だったら、おかしな話、一周したような気がするというか。「BLUE」を書いて10年ぐらい経つし、アレンジを試したけど、ずっとイマイチってなってたし。だったらあのときのまんま、弾き語りで一発録りみたいに歌って、ヒリヒリしたまま入れちゃったほうが、当時から聴いてくれている人達も納得してくれそうだし。「BLUE」の成仏のさせ方というか、デビューのさせ方にちょうどいいんじゃないかって。自分の人生のロードムービーじゃないですけど、「BLUE」という楽曲を携えた自分の中でのすごく壮大なストーリーがここにありますね。ここで来たかって、札幌の路上で聴いてくれていた二人ぐらいの人が、ビックリしてくれるかもしれない(笑)。

――幻の曲がシングル「ロードムービー」で聴くことができるってわけですね。「BLUE(弾き語り)」では当時のもがいていた思いがあり、アンサー・ソング的に「ロードムービー」がある。孤独な自分の気持ちではなくて、約10年後の今は広い人達にも伝わるパワーを持った曲に仕上がっている。ドラマティックですよ。

高橋:もう、そのまんま原稿にしていただければ。おっしゃっていただいた通りなんです。