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高橋優 初の単独横アリ公演はステージが終わっても気持ちの中で響き続けるライブに/レポート

4/22(土) 23:15配信

エキサイトミュージック

 
■高橋優/【全国ホール&アリーナツアー 2016-2017「来し方行く末」アリーナ編】ライブレポート
2017.04.2(SAT) at 横浜アリーナ
(※画像12点)

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「皆さんとつながって歩いていきたい」

5枚目のアルバム『来し方行く末』のリリース後、昨年12月から全国ツアーをスタートさせた高橋優。全国のホールを廻って、4月には2デイズに渡る横浜アリーナ、そして大阪城ホールでのライブも成功させている。そのうちの1本、4月2日の横浜アリーナ公演の模様をお伝えしよう。

SEが始まると同時にステージに輝いたのは、アルバムタイトルでありツアータイトルでもある『来し方行く末』から“来”と“末”という文字。それは過去と未来という意味を持っている。そんな2つの大きな文字のもとに、SEの後半、ついに姿を現した。“過去”と“未来”のその真ん中に、“今”、高橋優がいる。



一礼をして、この日の1曲目に選ばれたのは「TOKYO DREAM」。鋭く痛烈に社会を描写するその歌は、まさに高橋優を象徴するような楽曲だ。しかも詞の内容に合わせ、時には苦々しい表情を浮かべながら、そして時には見下すような視線も投げかける。続く「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」では、挑みかかってくるような形相をする場面も。のっけからゾクゾクさせられっぱなしであり、言葉のひとつずつがとんでもないパワーを持ちながら気持ちをかき乱してくれる。

自身初めてのアリーナクラスでのワンマン開催にあたり、札幌時代に路上ライブで観客と1対1のような関係で歌っていたときのような感じで臨みたい、とも語っていた高橋優。まさにそれが現実になっている。会場を埋め尽くした約1万人の一人ひとりに、曲が伝わっているどころか、効きまくっている。気持ちのいろんな箇所を、曲と詞、そして高橋優にこじ開けられていく感じだ。

「太陽と花」を終えたところで、ファンに改めて挨拶。アルバムについての話もしながらツアーへの思いも口にする。そして「皆さんとつながって歩いていきたいと思っています。そのために今という時間を充実させること。それが明日以降へつながっていくと思います。今夜限りの最高の時間を過ごそう。過ごしてくれますか!」と最後に投げかけた。



ここからライブは「アイアンハート」を始め、『来し方行く末』からの曲を軸に展開。今回の長いツアーを経て、アルバムからの曲もライブにふさわしいダイナミックさで響かせていくバンドメンバー。その音を全身で浴びながら高橋はステージの真ん中でギターをかき鳴らし、さらなる説得力をもって曲の数々を歌っていく。

またツアーのアリーナ編ならではの企画が、中盤に盛り込まれた「来し方ソングリクエスト」コーナーだ。これは事前にリクエストを募って、その中から選んだ2曲を演奏するというもの。この日は「少年であれ」と「現実という名の怪物と戦う者たち」だった。

こうしてライブが進むなかで完全に気持ちをこじ開けられた約1万人。曲によってはジックリ浸ることもあれば、自然に涙を滲ませていることもある。しかしそうした曲でも、声には出さないものの、ファンの誰もが一緒に歌っている。



ライブ後半の「Mr.Complex Man」では、自分のコンプレックスにイヤになるどころか、一緒に歌っていると完全に開き直ってしまえる。「明日はきっといい日になる」は、ホントにいい日に自分でしちゃうぞ、と全開のポジティブさが全身にみなぎってくる。いい方向へと覚醒させてくれるのが、高橋優のライブにおける魅力のひとつでもある。

しかし、この日、変な方向へ覚醒した男もいた。「泣ぐ子はいねが」のときだった。歌いながら客席の中を通って盛り上げまくる高橋。アリーナ後ろの特別ステージ(上昇もする)に乗って、コール&レスポンスまで巻き起こしていった。その言葉が“俺の最中(もなか)と君の肉まん”である。ライブ中のトークで出てきた最中と肉まんの話に絡めたものだが、言い方や手つきがいやらしい(笑)。Mr.Complex Manではなく、Mr.エロティックマンの称号を与えたいぐらいだ。最後のキメでは「俺の最中を食べてくれ、横浜!」と叫ぶというアッパレぶり。でも、そうしたハッチャケぶりもライブならでは。本人はもちろん、客席のファンも笑顔がたえない。そこからの「BEAUTIFUL」は最高の一体感と幸せに包まれていく横浜アリーナとなった。


さらにアンコールでは新曲「ロードムービー」も含め、明日に向かって力が湧いてくる曲ばかり。ステージが終わっても気持ちの中で響き続けるライブを、この日、高橋優は観せてくれた。
(取材・文/長谷川幸信)