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“俳優”ビートたけし、70歳の新境地!ハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』で魅せたものとは

4/22(土) 12:40配信

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テレビ東京ドラマスペシャル『破獄』(4月12日放送)では主演を務め、改めて俳優としても再評価の機運が高まっているビートたけし。そんな彼がハリウッド映画に出演した『ゴースト・イン・ザ・シェル』が現在公開中だ。日本に深い馴染みのあるコンテンツで、役者たけしがその類まれなる存在感を見せつけている。

【画像】レッドカーペットに登場した、ビートたけし

慈愛に満ちた役で、優しさ全開

押井守監督によるアニメーションでも知られる士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」の実写映画化。漫画やアニメでなければ表現不可能と思われた近未来世界を、ハリウッドならではのゴージャスな映像力でクリエイトしている様にまず圧倒される。脳以外は全身が機械化された「義体」であるヒロインは、人間とロボットの境界線上で揺れ動く捜査官。最強の戦闘能力を持ちながら、己のアイデンティティを模索する彼女をスカーレット・ヨハンソンが演じている。ビートたけしはこの主人公が所属する組織、公安9課のボスに扮しているが、あるときは上司として、あるときはまるで父親のように、彼女をサポートする。その姿は慈愛に満ちており、意外なほど優しさ全開で驚かされる。

映画の中のたけしといえば、最近では北野武監督作品での印象が強い。テキパキと最低限の動きと言葉とガンプレイで相手を倒す。今年シリーズ第3作『アウトレイジ最終章』が公開される「アウトレイジ」シリーズはその顕著な例だ。本作『ゴースト・イン・ザ・シェル』でも銃を構えるカッコいいシーンはあるが、どことなく、アクションも、台詞回しもゆったりめ。それが独特の風格になっていて、俳優ビートたけしを逆輸入に発見する感覚がもたらされる。

英語の台詞を、自ら日本語に

当初、英語だった台詞をたけしは日本語で話すことを選択した。互いが電脳で繋がれている近未来設定のため、英語と日本語でタイムラグなく会話が成立する様も違和感がない。おそらく、これが功を奏した。周りの全員が英語で話しており、たけしだけが日本語を話していることで、このキャラクターに特別なムードが生まれている。さらに、いつもほどスピーディではないたけしの芝居が、ヒロインの傷ついた魂を抱擁するような効果をもたらしているのだ。

とりわけ、主人公に「お前には魂がある」と語りかけ、じっくりと諭す場面はこころが温まる。シャープなSFアクションのイメージが先行しているが、たけしの存在で、映画全体がウォーミーなものになっている。

かつて『JM』というハリウッド映画でキアヌ・リーブスと共演したこともあるたけしだけに、その芝居は映画の国籍がどこであれ堂々たるもの。今年70歳を迎え、俳優としてさらに新境地を拓く様がなんともまばゆい。

(文/相田冬二@アドバンスワークス)

最終更新:4/22(土) 12:40
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